【Q&A】「尖閣諸島」とは?
Q:中国や台湾が領有権を主張しているのはなぜ?
1969年、国連の海洋調査で、尖閣諸島周辺に石油やガス田といった海底資源がある可能性が指摘されました。このことが注目されるようになり、71年には台湾と中国が相次いで領有権を主張するようになります。 台湾も中国も、過去の文献に帰属を示す記述があることなどを理由に挙げています。
Q:尖閣諸島は誰の土地?
魚釣島などには地権者(所有者)がいました。ところが、2010年9月に尖閣諸島周辺の領海内で中国漁船が海保の巡視船へ衝突する事件が発生。その後も中国船舶による尖閣諸島への接近は後を絶ちませんでした。 そんな中、石原慎太郎東京都知事(当時)は12年4月、尖閣諸島を地権者から購入する考えを表明します。港湾施設などを整備し、日本の実効支配を強化するという狙いがありました。石原氏は購入に向けた寄付を募り全国的にも話題になりましたが、地権者を交えた協議の結果、当時の民主党の野田佳彦政権が魚釣島、北小島、南小島の3島を買い取ることになり、同年9月に国有化しました。 これに対し、中国や台湾は領土主権の侵犯だと反発。中国では激しい反日デモも起こりました。その後も尖閣周辺では、中国当局の船が日本の領海やそのすぐ外側の接続水域に繰り返し侵入しているほか、中国機による領空侵犯も増加しています。 20年にも入っても、4月以降111日連続で中国公船が尖閣諸島周辺の接続水域で活動し、領海内に入るケースも確認されています。日本漁船を追いかけ回す事案も起こっており、緊張状態は続いています。
Q:最近、住所に「尖閣」の文字が入ったね?
尖閣諸島は、住所の上では沖縄県石垣市に属します。その石垣市議会は20年6月、尖閣諸島の字名を「石垣市登野城(とのしろ)」から「石垣市登野城尖閣」に変更する議案を賛成多数で可決しました。石垣島内にも「登野城」の地名があり、行政事務を改善するためとして石垣市が議会に変更を提案していました。市は領有権を主張する狙いはないと説明しています。これに対し、領有権を主張する中国は石垣市の字名変更を挑発行為だとし、外交ルートを通じて日本に抗議しました。