バレエとミュージカルの裏側を語る「客席から見えるキラキラの倍はドス黒い」
ルッキズム批判の一方で美容整形の流行など、「美」の概念がゆらぐ現在。全身を使って美を表現するバレエの世界にも影響はあるのでしょうか? 3人のバレリーナにお話を伺いました。 美しい人へ。他の記事はこちら
ルッキズムが批判される一方で、美容整形が流行りSNSでの自己アピールが過熱するなど、「美」の概念がゆらぐ現在。身体を使って美を表現するバレエの世界にも影響を及ぼしているのでしょうか。 前回に続いて、バレリーナ経験のあるジゼルさん(32)、クララさん(28)、オーロラさん(27)さんに、お話を伺いました。 今回は、役を巡って舞台裏で繰り広げられる人間模様についてです。バレリーナにとって求められるのは外見の美しさだけではないようです。
業界で生き残るためにはいじめもごますりもある
── 前回は体型維持の辛さなどを伺いましたが、役をもらえなければ舞台にも立てないのですよね。バレリーナ同士での嫉妬や意地悪はあるのでしょうか。 一同 靴がなくなるのは普通にある。 ジゼル でも、子どもの頃のいじめって親同士のライバル意識に影響されていますよね。親が「あの子は先生のお気に入りだから得してる」なんて言ったりして、その雰囲気を受けてやっちゃうのかもしれません。いじめに耐えられなくてスクールを移る子もいます。 クララ 大人でもいじめはありますからね。 ジゼル 18歳の時に初めて興行のミュージカルにアンサンブルで出たんですけど、その座組で私が最年少だったんです。だから皆さん可愛がってくれていたんですが、私が一番花形のところに決まった途端に、一切誰も口を聞いてくれなくなりました。 オーロラ それは辛い……。