THE YELLOW MONKEY、1.5万字超えのインタビューを掲載。“復活ののろし”となるアルバム『Sparkle X』を語る【前編】
――粘りという意味では「ドライフルーツ」でのEMMAさんのギターソロも。 EMMA 僕はアルバムの中で多分1番好きなテイクで。 吉井 オチケン鋭いね。 ――ありがとうございます。あれはどういうイメージで? EMMA 曲調から、今までのTHE YELLOW MONKEYにはなかったソロを弾きたくて、チャレンジした感じですよね。THE YELLOW MONKEYサウンドの中では、アームを使うこともほとんどなかったんで、それを入れてみたり。 ――HEESEYさんのベースの存在感もね。 HEESEY ありがとうございます。今までと同じようで、ちょっと違うパターンのレコーディングだったりして。いい意味での余裕とか、余白があって、自分の味を出すポイントがありました。短い時間の中でしたが、自分で持ち帰って、曲を聴いて出てくるフレーズみたいなものを、何通りもやってみたんですね。今までは、例えば5-6曲のレコーディングを並行してやっていたこともあったんですが、1曲ずつ録っていく形だったので、それが功を奏したところもあるのかな。ベストを尽くせたかなと思います。 ――アルバムには11曲収録されていますが、その中でも、やっぱり「Beaver」そして「ラプソディ」という2曲については? HEESEY その2曲を選びましたか。 ――この2曲はちょっと質感が違うというか。 吉井 「Beaver」はわりと古くから自分の中にあった曲で。HEESEYが得意そうなベースだなあと思います。その曲に限らずですが、曲を作るスキルではない部分での制限がいろいろあったんで、例えば「罠」なんかは、HEESEYがソロでやるTHE YELLOW MONKEY感みたいな。「HEESEYはこういう曲作りそうだな」とイメージしていました。そういうのはメンバー全員にあるんですけどね。ANNIEだったら、こういうドラム叩くだろうなとか。再集結してから、「これまでのTHE YELLOW MONKEYとは違うことをやりましょう」という提案をしていたけど、今回は、もう好きなことをやろうというか。塗り絵をみんなに渡したみたいな。線は書いてある中で、楽しんでもらうというのが一つあって。「Beaver」はその最たるものかなと。逆にEMMAはあまりやることなかったかもしれない? EMMA ああ、カッティング? でも、ずっとストロークをやるのはTHE YELLOW MONKEYでは珍しいから。 吉井 珍しく、起きてたね。寝るじゃん? EMMA 同じことやってると(笑)。 吉井 そういうのがありつつ……「ラプソディ」は最後まで歌詞ができなくて。1番声の調子が悪いときに思いついた曲だったから。自分で作ったデモに対して、歌のキーも、どのメロディが歌いやすいのかもわからなかったんですけど、試行錯誤しながら形になりました。もともと、サビは全然違うサビがついていたんですけど、あるとき、ジムの帰りにお茶をしていたら、小さい子がお母さんに「おっぱい、おっぱい」とせがんでいて。そこで、<オパ オパ オパ オパ オパ>という今まで自分の中になかったメロディができた。 ANNIE もうね。聴いてくださったと思うんですけど、強烈なんですよ。 吉井 デモは、おっぱいで歌っていたんですよ。でも、例えば子ども向けの曲として出すなら、それでいいんですが、さすがに平均年齢58歳のTHE YELLOW MONKEYの10枚目のアルバムですから、このままではまずいよねと、事務所とレコード会社とも話して。ずっとできなかったんですよ。最後までこの曲だけ完成していなくて。日本語で歌詞を書いたりもしていたんですけど、全然つまらなくて。それで、わりと最近、ファンクラブミーティングをやっていたんですが、名古屋の帰りの新幹線の中で、「ちょっと待って。クラリネットの童謡ってなんだっけ。オパッキャマラードじゃなかったっけ?」と。クラリネットがうまく鳴らない歌と自分の声帯のことが重なって。助かった! 感動したもん。 EMMA めちゃくちゃ自慢げに「できた、できた」ってグループLINEに貼ってきたから。 ANNIE すごかった。 EMMA めちゃくちゃうれしそうだったよ。 吉井 「どうだ」くらいには送りました(笑)。 ――おっぱいからクラリネットときて。フランス語では「みんなで一緒に行こう」みたいな意味もあるそうで。 吉井 そうですね。それこそ、オッパって韓国語だとお兄さんとかいう意味もあって、いろんな逃げ道を考えましたが、それでは完全に敗北だろうと思って。ちゃんと正々堂々と言える言葉を見つけました。すごい達成感。 ANNIE このアルバムの1番最後にできたからね。 EMMA 全員がやった! となりましたよね。 ――僕は最初から喉のことを歌っていたのかと思っていましたが。そのエピソードも含め、THE YELLOW MONKEYっぽいというか。 HEESEY 会心の歌詞ですよね。
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