衆院東京15区、補選の「つばさの党」選挙妨害踏まえ選挙戦様変わり 保守票の行方も注目
■須藤氏「練習の仕方で試合は変わる」
「目標は究極的に世界平和の実現だ」
16日午後7時半過ぎ、東京メトロの東陽町駅前。全国から駆け付けたボランティアスタッフらとビラを配っていたのが元格闘家の無所属新人、須藤元気氏(46)。キラキラ光るネオンのタスキがトレードマークだ。
参院議員、総合格闘家、書家、レスリング部監督、ダンサー、俳優、調理師、利酒師…さまざまな肩書を持った須藤氏には写真撮影を求める人が相次ぐ。
須藤氏は9人が立候補した4月の補選で2位となり、存在感を示した。敗北した翌日から街頭演説を再開し、電飾を施した電気自転車で選挙区内を走り回ってきた。
「練習をいかにやってきたかで、試合の結果は変わる。今は試合だ」と力を込める。
「政治とカネは結局、選挙制度の問題だ。選挙でお金を使えば、得票数も伸びるような政治を終わらせる。選挙にお金をかけない制度ができれば、政治とカネの問題もクリアになるはず」と述べ、自らも選挙費用の削減に努めている。電気自転車のバッテリーは切れっぱなしだという。
4月と比べ、ビラを受け取る確率も上がっているという。「お金をかけなくてもドブ板をやって、足りない部分は元気でカバーすればいい。やれることはやってきた。疲れているけど、すがすがしい気持ちだ」と語った後、自転車「元気号」で去っていった。
■「この国を良くしたい思いは同じ」
4月の補選ではつばさの党陣営が威圧的で乱暴な言葉遣いで相手候補を罵倒した。今回出馬した5人の候補はいずれも主義主張は異なるものの、互いの活動に敬意を払っている。
金沢氏は「日本の豊かさや国民の幸せを願うというゴールは一緒だ。手段が違うだけで、いがみ合っても良くはならない。切磋琢磨議論をして、政策をブラッシュアップしていけばいい」と強調した。
須藤氏も「アスリートなのでフェアプレーは当たり前。相手の悪口も言わない。政策の違いがあるので論争はするが、ほかの候補者もこの国を良くしたいという志がある。そこはリスペクトしながらが大事だ」と述べる。