中国軍の活動が空でも海でも活発化→国民の命を守る航空自衛隊はどう対応?
● 那覇基地に司令部を置く、南西航空方面隊とは? F:スミマセン、今さらなんですが、航空自衛隊那覇基地の具体的な役割を教えて下さい。 奥:はい、この那覇基地は、「南西航空方面隊」の司令部がある大変重要な基地であります。戦闘機の部隊やレーダーで空を警戒監視する部隊、そして地対空ミサイルの部隊などによって編成されています。対領空侵犯措置などの任務はもちろんのこと、沖縄周辺区域の救難活動も行っています。 「第9航空団」は、F-15J戦闘機による防空等の任務と、T-4中等練習機による各種支援飛行が主な仕事です。スクランブルで飛ぶのはF-15です。フェルディナントさんは入間でT-4に体験搭乗されたと伺いましたが、あれと同じ飛行機が那覇にもあるんです。 自衛隊の「目」の部分を担うのが「南西航空警戒管制団」です。通称「ガメラ」と呼ばれる大きな亀の甲羅のような固定式のレーダーや、車輪の付いた移動式のレーダーをネットワークでつないで、24時間365日、空を監視しています。そして防空指令所から、管制官が戦闘機を誘導します。移動警戒レーダーは、後で実際に見学していただきます。 警戒管制部隊と連携して、我が国に侵攻する航空機や弾道ミサイルを迎撃するのが「南西高射群」です。 使用するミサイルはペトリオットミサイル、通称「ペトリ」です。現存する地対空誘導弾の中では、最も命中率が高いと言われる最先端のシステムです。市ヶ谷の防衛省敷地内にも同じものが配備されています。
奥:ご存じないかも知れませんが、航空自衛隊は施設部隊を持っています。この部隊には重要な仕事の1つとして「滑走路被害復旧」があります。滑走路が被害を受けたら飛行機は迎撃のための離陸もできないし、無事に帰ってきた飛行機が着陸することもできなくなります。だから、万が一滑走路が被害を受けてしまったら、可能な限り迅速に復旧しなければなりません。実際に穴を埋める復旧訓練も行います。この部隊は「南西航空施設隊」です。 そして音楽隊もあります。音楽大学出身者も在籍していて、離島を含む自治体等からも演奏会のオファーをいただく「南西航空音楽隊」です。 F:あっ、軍楽隊ですね。最近話題の。 奥:いえいえ。軍楽隊ではなく音楽隊です。 ● 防衛部長とは、南西域の防衛を担う部長のこと F:奥田さんのお役目である「防衛部長」とは、何をするお仕事なのですか? 奥:「防衛を担う部長」と認識をしてもらえば結構です。この南西域での防衛全般を担当します。分かりやすいのはスクランブル発進。あれも我々が対応しています。 F:スクランブルも! 奥:スクランブル発進を行うとなると、いろいろと防衛部が対応しないといけないので、土日であろうが夜中だろうが出勤して対応するような形になります。 F:相手はこちらの都合に関係なく飛んできますからね。土日はもちろん。昼も夜もない。それじゃ防衛部長でいる間は、お酒を一滴も飲めませんね。 奥:ははは。そうですね。ただし、休める時もあるので、その時は、しっかり飲めます(笑)。私も嫌いな方じゃないので。ただ待機の日は、自宅にいても正直、気が休まりませんね。