<センバツ>「サイン盗みの疑い」星稜が抗議 審判団「確認できず」、プレー続行
◇第91回選抜高校野球2回戦 ○習志野3-1星稜●(28日・甲子園) 星稜(石川)―習志野(千葉)戦の四回、習志野にサイン盗みの疑いがあるとの星稜からの抗議を受け、試合中に審判団が協議する場面があった。 大会規則では「走者やベースコーチなどが、捕手のサインを見て打者にコースや球種を伝える行為を禁止する。もしこのような疑いがあるとき、審判委員はタイムをかけ、当該選手と攻撃側ベンチに注意し、止めさせる」と定められている。 大会本部によると、習志野の四回表1死二塁の場面で、星稜の捕手が球審に「(二塁走者が捕手の)サインを盗んでいるようですけど」と伝えた。その後、2死満塁となり、星稜ベンチからも確認を求める声があったため、球審が3人の塁審を集めて協議したが、紛らわしい行為は確認できなかったため、プレーを続行した。 抗議について、習志野の小林徹監督は試合後、「子どもたちも反応していた。おい、おいという感じだった。(審判委員から)何の注意も受けていない」と述べた。一方、星稜の林和成監督は「フェアでなかった。(習志野の)二塁走者からサインが出ていた」と話し、取材終了後に習志野の控室を訪れて、小林監督に直接抗議する一幕もあった。ただ、若林浩・大会審判委員幹事は「審判の役目として二塁走者はいつも注視しているが、四回以降は紛らわしい行為は確認できなかった」と説明している。 日本高野連の竹中雅彦事務局長は、相手チームに直接抗議した星稜側から事情を聴く意向を示した上で、「第7日以降は試合前の攻守の決定の際に、紛らわしい行為はしないよう(両チームに)伝える」としている。【平本泰章、石川裕士】