優れた上司の1つの条件...部下から「話しかけやすい」と思われるメリット
自分には「話しかけやすい柔らかい雰囲気」が足りないと思ったら
私にも覚えがありますが、かつて私自身に足りなかったのは、リーダーに求められる2つの条件のうち、話しかけやすさや、柔らかい雰囲気でした。 そして、2つの条件を比べてみると、「ロジカルである」というスキルより、「話しかけやすい柔らかい雰囲気」のほうが身につけやすいように感じています。このスキルは、人には感情があることを認識し、その感情を汲み取って適切なコミュニケーションを行うためのものです。 当初私は、仕事をするにあたって、人の感情を汲み取ることが必要だとは思っていませんでした。そのために大きな失敗をしてしまったわけですが。 しかしだからと言って、自分自身が本当に感情豊かな人、人に寄り添うのが当たり前の人に変貌する必要はないと思っています。リーダーとは、あくまで「役割」だからです。人はいろいろな場で、「役割」を果たしながら生きています。会社の中では「リーダー」という役割を果たしているにすぎません。 リーダーとしては、メンバーが「あの人は私の話を聞いてくれる」「あの人だからぜひ相談したい」と思えるように「役割」を果たせればいいのです。それには、人が話しかけやすい柔らかい雰囲気を身につけることが有効です。
リーダーとして、自分のブランディングを
そういう意味では、「あのリーダーは柔らかい雰囲気で、誰に対してもフランクな態度だから話しかけやすい」というブランディングが必要だと考えています。 私自身、"相談しやすいリーダー"を目指すようにしてからは、オフィスに一歩足を踏み入れた瞬間から笑顔でいることを強く意識していました。 「おはようございます!」の挨拶も、笑顔で陽気に。いつも朗らかでいると同時に、言葉は丁寧であってもフランクな態度で。 コミュニケーションには言語によるものと、非言語によるものがあります。非言語とは何かというと、表情、声のトーン、視線、身ぶり手ぶりなどのことです。心理学者のアルバート・メラビアン氏によると、その人の印象を決めるのは、93%が非言語的要素だということです。 ですから、同じ言葉を口にするにも、どんな表情で、どんな声で、どんな身ぶり手ぶりで言うのかがとても大事なのです。 とはいえ、「自分は人にフランクに接するのは苦手だな」「いつも朗らかそうにはできないよ」という人もいるかと思います。 「リーダーとはこういうタイプが最も優れている」という答えがあるわけではありません。 そうであれば、自分ならどんなリーダーの元で仕事をしたいのか、自分の持ち味を活かしながら、一緒に働きたいリーダー像になるために何ができるかを考えてみることが必要です。
園部浩司(人材育成・組織風土改革コンサルタント)