70歳代も「収入から貯蓄に回す」ものですか?貯蓄3000万円以上はどれくらいいるのか
人生100年時代と言われている現代では、長い老後生活のために「働けるうちは働こう」と考える働くシニアが増えてきています。 【貯蓄のグラフ】70歳代で3000万円以上の達成割合は?手取り収入から貯蓄に回す割合も 実際に、総務省の「統計からみた我が国の高齢者」によると、高齢者の就業率は65~69歳は50.8%、70~74歳は33.5%となっており、いずれも過去最高となりました。 「年金の受給開始年齢になったら老後生活を迎えたい」「老後は悠々自適な生活を送りたい」と考えている人は、「老後のための貯蓄」が大きなカギとなり得ます。 では、具体的に老後生活を迎えるであろう70歳代までに、どのくらい貯蓄をしておくのが一般的なのでしょうか。 本記事では、70歳代における平均貯蓄額と貯蓄割合について紹介していきます。 70歳代が収入から貯蓄に回す平均割合についても紹介しているので、参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
70歳代の平均貯蓄額はいくら?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、70歳代の平均貯蓄額は二人以上世帯・単身世帯それぞれで下記の結果となりました(図表参照)。 平均値は、極端に大きい数値がある場合、値が偏る傾向にあるため、一般的な貯蓄額の実態を知りたい方は中央値を参考にすると良いでしょう。 70歳代の二人以上世帯・単身世帯の貯蓄中央値をみると「800万円」「485万円」となっており、どちらも1000万円に到達していません。 単身世帯よりも二人以上世帯のほうが多いのは、共働き世帯が多い現代では夫婦二人分の収入が見込めるため、単身世帯に比べて貯蓄がしやすくなっていると考えられます。 また、単身世帯と比較すると、二人以上世帯では持ち家率が高いことも、収入の多くを老後資金に回せている要因といえます。 ●【二人以上世帯】70歳代の貯蓄割合 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、70歳代夫婦世帯の貯蓄割合は下記の結果となりました。 70歳代二人以上世帯で、貯蓄3000万円以上を達成している割合は18.3%となっています。 約8割以上の世帯が貯蓄3000万円以上に到達できておらず、老後資金で問題となった2000万円以上に幅を広げてもその割合は3割未満です。 また、貯蓄ゼロである「金融資産非保有」の割合は全体の18.7%であり、約5世帯に1世帯が老後の貯蓄が全くできていないことからも、働くシニアが多くなっている要因につながっているとうかがえます。 ●【単身世帯】70歳代の貯蓄割合 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると70歳代単身世帯の貯蓄割合は下記の結果となりました。 70歳代単身世帯で、貯蓄3000万円以上を達成している割合は16.1%となっており、二人以上世帯と同様に達成割合が低くなっています。 また、金融資産非保有の割合は28.3%となっており、貯蓄3000万円を達成している人よりも「貯蓄ゼロの人」のほうが多いことがわかります。 二人以上世帯・単身世帯ともに、貯蓄が十分にできている人とできていない人に偏りがあることから、二極化傾向にあるとうかがえます。