引越し早々「家賃値上げのお知らせ」が届きました……無視してもよいでしょうか?
引っ越して入居後早々に「家賃の値上げのお知らせ」が届くケースは、ありえないことではありません。 特に、個人の貸主(大家さん)が管理している場合や、管理会社が小規模な場合は、時折こういうことが起こっているようです。そこで、家賃の値上げ請求が届いた場合の対応について考えていきます。 ▼アパートの1階と2階で「家賃」はどれだけ変わる? 1階暮らしのメリット・デメリットも紹介
引っ越してすぐの値上げ請求ってあり得るの?
前提として、貸主が家賃の値上げ請求をすること自体は認められています。 具体的には、不動産価格の上下や近隣の賃料相場の変動など、諸般の事情を加味し、現在の賃料が不相応になっている場合などに、請求できるようになっています。 しかし入居直後とあれば、一般的には契約したばかりであり、そのような賃料の値上げは起こりえないでしょう。 また、一般的に値上げの通知が来るのは更新のタイミングです。契約条件が変わるタイミングで、同時に家賃も変わるというようなケースが考えられます。とはいえ、値上げ請求が来ることはありえないことでもありません。引っ越し早々に通知が届いても、まずは慌てないようにしましょう。
無視しても大丈夫?
家賃の値上げ通知が届いても、無視をしてはいけません。トラブルの原因となるからです。家賃の値上げ通知は拒否することができますので、内容に同意ができなければ、無視ではなく拒否するべきです。 家賃の額は契約内容の一つであり、勝手に一方の当事者の要求で変えることができないからです。たとえ家賃の1円の増額であろうと、その点は変わりません。 値上げを拒否する場合は、値上げ前の家賃を支払いつづけるだけで足りるとされています。例えば「家賃を7万円から7万5000円へ、5000円値上げする」という通知が来ても、納得いかなければ従前の7万円を払い続けるだけでいいということになります。 仮に貸主が受け取りを拒否した場合、「供託」という方法をすることで、家賃を支払った場合と同様の効果を得ることができます。供託とは、本来支払うべき家賃を、貸主に代わって法務局に受け取ってもらう手続きです。供託についての詳細は、最寄りの法務局へ相談してください。