トヨタの高級ミニバン「アルファード」なぜガソリン車のほうが売れてる? ハイブリッド優勢のモデルが多いなか“例外”となったワケ
「アルファード」はガソリン車のほうが人気!? なぜ?
いま北米の新車マーケットでは、急激にハイブリッド車の人気が高まっていると言いますが、そんな北米に先駆けて日本ではハイブリッド車の人気が高い状態となっています。 自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計を見ると、2023年通年の新車販売(軽自動車は除くが輸入車は含む)におけるハイブリッド比率は55.1%と高い人気。1.9%のプラグインハイブリッドを加えれば57%にもなります。 【画像】「えっ…!」超カッコいい! これが最新の「アルファード」です(30枚以上)
ちなみに同じ期間におけるガソリン車販売比率は35.8%、ディーゼルは5.5%。EVはわずか1.7%でした。 いま日本で販売される新車が100台あればそのうち57台、つまり2台に1台以上がハイブリッド車という状況になっており、日本は世界トップ水準のハイブリッド先進国なのです。 世界ではじめてハイブリッド車を市販化したのはトヨタですが、同社の車名別販売内訳をみると、ごく一部の例外を除きガソリン車よりもハイブリッド車のほうが、販売台数が多いのが現状です。 2024年4月のカウントを見ると、「カローラクロス」ではガソリン車810台に対してハイブリッドは5650台、「カローラツーリング」ではガソリン車250台に対してハイブリッド2700台と、ガソリン車に対してハイブリッド車の販売台数が大幅に多い車種も存在。 そんななか、ハイブリッドの販売台数が控えめなのが「アルファード」です。 2024年4月はガソリン車2920台に対してハイブリッド車3780台とハイブリッドが多く売れましたが、3月はガソリン車3160台に対してハイブリッド車は3300台とほぼ同等。 その前の1月や2月はむしろガソリン車のほうがハイブリッド車の販売台数を上回っていました。 参考までに、兄弟車の「ヴェルファイア」は2024年に入り、ガソリン車がハイブリッド車の販売を上回ったことはありません。少なくともガソリン車の2倍強、多い時には6倍以上もハイブリッド車を販売しています。 トヨタの中でも例外的に、アルファードはハイブリッド車の販売比率が低いのですが、それは一体なぜなのでしょうか。 理由はいくつか考えられますが、まずはガソリン車とハイブリッドの価格差が大きいことがあげられます。 たとえば「ヤリスクロス」だとガソリン車とハイブリッド車の価格差は40万円に満たず、カローラクロスだと35万円(これはお買い得感が高い)、「ハリアー」でも約63万円となっています(いずれも消費税込)。 しかしアルファードではガソリン車とハイブリッドの価格差が80万円もあり、これはかなり高い設定と言わざるを得ません。 いずれもガソリン代でその価格差を取り戻すのはかなり難しいですが、アルファードでは特に割高感を感じるのではないでしょうか。 もちろん、燃費だけでなく、モーター走行による滑らかさや静粛性、そして快適性、さらにはモーターによるアシスト効果での動力性能アップなどハイブリッドのメリットは多岐にわたります。 それと価格差をてんびんにかけたとき、ヤリスクロスやカローラクロスだと多くの人が納得できる範囲であるものの、ハリアーだと割高感が勝りはじめ、80万円もの価格差があるアルファードではさらに二の足を踏む人が増えるのだと推測できます。