赤い肉は危険? O157による食中毒を防ぐカギは"75度"! 医学博士に聞く 牛肉に潜むリスクとその対策とは
O157以外のリスク
悪者扱いされる大腸菌ですが、実は私たちの腸内には大量に存在しています。食べ物の消化を助けたり、ビタミンKやビタミンB群の合成に寄与したり、病原菌の繁殖を抑える役割を果たしたりと、健康の維持に重要な役割を果たすことが最近の研究でわかっているそうです。 ところが「腸管出血性大腸菌」となると、話は変わります。ベロ毒素という強力な毒素を作り、下痢や血便、腹痛を起こすだけではなく、重症化すると溶血性尿毒症症候群というものを引き起こし、最悪命を落とすことになりかねません。 O157は生肉や生レバーだけではなく、加熱していない野菜にも付着することがあり、注意が必要。また、生の牛肉にはO157以外にもサルモネラ菌やカンピロバクターのリスクがあり、こちらも75度以上で1分間の加熱が大事です。 特に土に含まれているセレウス菌は厄介で、熱への耐性が強いため、75度で5分以上、100度で2分以上の加熱が必要です。 本来人牛肉に十分な加熱が必要なことは知られていたはずなのに、加熱しなくなったことについて、吉田先生は「物を噛まなくなったことでアゴが退化し、硬いものを好まなくなってしまった」と指摘し、あらためてそのリスクを警告しました。 (岡本)