スバルが新開発した2.5Lストロングハイブリッドは先駆者トヨタよりどこが凄い? 大したことはないのか??
EVへの移行スピードが鈍化し、それまでの繋ぎ役とされてきたハイブリッドとPHEVの販売が急伸。ホンダと日産による経営統合は、日産がハイブリッドを主戦場の北米市場で持っていなかったことが最大の要因とされている。そんななか、スバルはトヨタのハイブリッドシステムを使って独自のストロングハイブリッド、S:HEV(SUBARU STRONG HYBRID)を新開発。2024年12月5日、クロストレックに搭載され、2025年春に発売予定の新型フォレスターにも搭載される。はたして、スバルのストロングハイブリッドは、トヨタより凄いのか、改めて考えてみたい。 【画像ギャラリー】スバルのハイブリッドはトヨタよりいいか???新型クロストレックと新型フォレスターを写真でチェック!!!!(6枚) 文:国沢光宏/写真:ベストカーWeb編集部、スバル
■勝ち組トヨタグループに属するスバルが作ったストロングハイブリッドとは
ここにきて「電気自動車が主役になるまでの15年くらいはハイブリッドとPHEVで繋ぐ」という流れになってきた。ハイブリッドを持っていないメーカーは、独自開発するか、外部からユニットで購入するかという選択をしなければならない。今回紹介するスバルは前者。パワーユニットって"魂"みたいなもの。実際、今まで他メーカーのエンジンを搭載したクルマは失敗してきた。 ということでスバルのハイブリッド。トヨタのハイブリッドをベースにしていると言われているけれど、水平対向エンジンは縦置き。トヨタのハイブリッドを流用できない。ただモーターと発電機はクルマの部品で言えばタイヤのようなもの。これだけトヨタと同じ工場で生産している(若干仕様は違う)。どんな構造になっているかは、スバル北本工場取材の記事に書いたのでご参考に。 となると気になるのが同じモーターと発電機を使うトヨタのハイブリッドとの違い。購入時に迷った時の判断材料と考えてもいいだろう。まずスペックを比べてみたい。RAV4やハリアーに使われているハイブリッドは、エンジンが2.5Lの178馬力。エンジンと直結しているフロントモーター120馬力。独立して搭載されているリアモーター54馬力となる。 普通のエンジンの最高出力に相当する「システム最高出力」(エンジンとモーターの出力を足したもの)は222馬力だ。大ざっぱに言えば3Lの普通のエンジンくらいの出力と思っていい。実際、RAV4ハイブリッドの0~100km/h加速は8秒程度。10秒を切れば「速いね!」と感じる加速なので、アクセル全開すれば相当活発に走ると考えてよかろう。 リアのモーターも54馬力ある。北海道の雪上テストコース(林道を模したもの)でラリー走行のようなフルアタックをしたけれど、しっかりスタビリティを確保してくれた。というか、後輪をモーターで駆動する4WDとしては抜群に仕上がり。さすがWRCで何度もチャンピオンを獲ったトヨタの実力を見せた。RAV4やハリアーの4WD、強敵だと思う。