スバルが新開発した2.5Lストロングハイブリッドは先駆者トヨタよりどこが凄い? 大したことはないのか??
■トヨタのハイブリッドより実力は上か?
スバルのハイブリッドやいかに。エンジンは2.5Lの160馬力で、トヨタより若干低い。モーター出力も119.6馬力で、トヨタの120馬力+54馬力に届いていない。そしてシステム最高出力は公表しておらず。トヨタ方式のハイブリッドでシステム最高出力を公表していないのは、スバルだけ。理由を聞くと「システム最高出力は状況によって違うので数字では出せない」そうな。 トヨタのハイブリッドシステムは、2人で担ぐ天秤のようなもの。エンジンとモーターのパワーが折り合わなければならない。どちらか一方を強くしてもダメなのだった。ということから想像すると、エンジン出力10%程度低いため、理論上のシステム最大出力は200馬力くらいだと思う。2.7Lの普通エンジンくらいの出力をイメージして頂ければ間違いない。 ただアクセルレスポンスはモーター出力より「バッテリーから引き出せる出力」で決まるため、試乗して比較するしかない。ちなみにトヨタでいえばエンジン出力が178馬力でシステム最高出力222馬力。合計174馬力の前後モーターを持つけれど、バッテリーは44馬力分しか電力を引き出せないワケ。電気自動車と比べたら小さいバッテリーなので仕方ない。スバルでいえば40馬力程度だと思う。 実際はエンジンの回転数が上がるまでスペック以上の電力を出している。バッテリー、数秒単位の短い時間なら大きな出力を出せるからだ。トヨタだと最大で60~70馬力くらいだと言われる。ここの味付けでハイブリッドの元気さやレスポンスが大きく変わる。ジワジワ出すか、ドカンと出すか、ですね。スバルのストロングハイブリッド、短い時間しか乗っていないけれど、後者のような雰囲気。 また、エンジン掛かった時の振動&騒音はバランス良い水平対向の方が有利。エンジン掛かっている時の質感を比べたらスバルに分があると思う。4WDシステムもスバルはプロペラシャフトを使う直結式。エンジンブレーキを掛けた時の安定感や、直進安定性を確保しやすい。このあたりは様々な路面状況で乗り比べてみなければわからないが「違い」はあると考える。 スバルファンなら迷う余地なし?トヨタ(RAV4)かスバルフォレスターで迷っているなら、試乗レポートが出回るまで待つことを薦めておく。RAV4の2.5LハイブリッドのWLTCモード燃費は20.3~20.6km/L。ちなみに2024年12月に発売されたストロングハイブリッドを積んだスバルクロストレックプレミアムS:HEVのWLTCモード燃費は18.9km/Lとマイルドハイブリッドのe-BOXERの16.4km/Lよりも約18%改善している。 参考までに書いておくと、WLTCモード燃費はトヨタ優勢。といっても実用燃費で10%も違わないだろう(ただ水平対向は冷えている時の燃費悪いので、ハイブリッドもチョイ乗りは苦手かと)。スバルだって十分納得できる燃費だと考えます。 ・現行2L e-BOXER:107kW(145ps)/180Nm ・新ストロングハイブリッド:2.5Lエンジン:118kW(160ps)/209Nm)+駆動用モーター88kW(119.6ps/270Nm) ・RAV4:2.5Lハイブリッド:178ps/221Nm(22.5kgm)+フロントモーター88kW(120ps)/202Nm(20.6kgm)+リアモーター40kW(54ps)/121Nm(12.3kgm)、WLTCモード燃費:20.3~20.6km/L