山形県沖の地震が発生した「日本海東縁部のひずみ集中帯」とは?
18日午後10時20分ごろ、山形県沖を震源とするマグニチュード(M)6.7の地震が発生した。新潟県村上市で震度6強の揺れを観測したほか、一時は山形、新潟、石川の3県の沿岸に津波注意報が発表され、実際に津波が観測された。 日本海の海域で発生した地震で津波を観測したのは、2007年の中越沖地震以来となる。 近年、東日本大震災や近い将来の発生が危惧されている南海トラフ巨大地震など、太平洋側の地震・津波が話題になることが多いが、今回のように日本海側でも津波を伴う地震はたびたび発生し、多くの死者も出していることを忘れてはならないだろう。
日本海で起きた過去の地震
今回の地震の震源は、山形県と新潟県の県境付近にほど近い海域。気象庁によると、沿岸から6~7キロだという。 今回の震源より約40キロほど南にいった海域では、1964年に新潟地震(M7.5)が発生している。日本海沿岸を津波が襲ったほか、新潟市で石油タンクの火災や鉄筋コンクリート建造物が液状化現象によって転倒するなどの被害が出たことで知られる地震だ。 また、200キロほど北にいったところでは、1983年に日本海中部地震(M7.7)が発生している。死者104人のうち、100人が津波によるもので、中でも秋田県男鹿市の海岸を遠足で訪れていた児童13人が犠牲になったことが衝撃を与えた。 さらに北には、1993年の北海道南西沖地震(M7.8)の震源がある。政府の地震調査研究推進本部によると、この地震の震源は、北海道の奥尻島や渡島半島西岸に近かったため、地震発生後4~5分で津波が押し寄せ、多くの人が犠牲になった。現地調査の結果、津波の高さは奥尻島で最大約30メートルに達したとされる。被害は全体で死者・行方不明者230人。この時、気象庁は地震の5分後に北海道の日本海沿岸に大津波警報を出したが、既に奥尻島を第1波が襲った後だった。この反省をもとに、気象庁は津波警報を3分をめどに発表するよう改善を進めることになった。