ネコの気持ちで庭を眺めながら、植物を寒さから守る冬越し準備をしよう
雪が舞い、寒風が吹きすさぶ、厳しい冬はもうすぐ。寒さに弱い植物にとっても冬は過酷な季節です。来年もまた元気に育ってくれるよう、本格的に寒くなる前に冬越し対策を行いましょう。 『趣味の園芸』11月号の注目特集〈冬越しを極める〉では、庭植え・鉢植え・観葉植物、それぞれの最適な冬越し対策をレクチャーします。11月号より、一部を抜粋してお届け。
ダメージを防いで春に備える
今年の冬は暖冬? それとも厳寒? 平年並みとの予報に安心していても、突然の早霜で、植物を傷めてしまうことも。何年も庭で元気に冬を越していたはずのアロエ・ベラやペラルゴニウム、レモンなどが、10年に一度の極端な低温に当たって、傷んで枯れてしまったなどということもあります。 庭植えの草花、樹木の場合、最初から植物に合った適切な場所に植えていれば、必ずしも冬越し対策は必要ありません。とはいえ、寒さによるダメージを軽減し、より健全な状態で春の生育期を迎えられると、その後の成長がよくなり、早くから美しい花が楽しめたり、果樹は実つきがよくなったりします。 冬越しの準備は霜が降りる前に終えるのが鉄則。11月中旬をめどに、地域の気象条件も勘案しながら、早めに済ませておきましょう。
ネコの気持ちで庭を眺めると......
冬越し対策は植物の種類と栽培環境から考えましょう。寒い冬でも戸外で元気に育つ種類もあれば、寒さに少し当たっただけで枯れてしまう種類もあります。また、同じ植物でも、場所によっては寒さで傷みやすい場合もあります。 ネコになった気持ちで庭の隅々を眺めてみましょう。庭の中で冬にネコが好んで過ごす場所は日中、太陽が当たって暖か。風もあまり吹かず、夜も温度が極端に下がることはありません。そんな場所は防寒をしなくても、多くの草花や樹木が冬越しできます。 11月号では、冬越し対策が必要な場所、気をつけたい植物、解決策を紹介しています。
被覆して葉や枝を保護
庭植えや大きくなって動かすのが困難な鉢植えは、不織布や寒冷紗などの被覆資材で株全体を覆い、保護しましょう。葉や枝、さらには春から成長する芽が、寒風や霜で傷むのを防ぐことができます。 庭植えの樹木が大きく育った場合など、被覆資材を株全体に巻きつけるのが大変な場合は、樹冠上部のみを覆うか、果実が実った部分だけでも覆うと安心です。 11月に入ると最低気温が10℃を下回る日がふえ、戸外の植物たちもそろそろ冬越し準備が必要になります。庭植えの草花や樹木を寒さから守る方法を、11月号で詳しくお伝えします。
《教えてくれた人》 富田裕明(とみた・ひろあき) 植物研究家 千葉大学園芸学科を卒業後、園芸試験場や植物園で育種や栽培に携わる。自宅で、花木、草花、食虫植物、山野草など数千種を栽培。 ●『趣味の園芸』2024年11月号 「庭植え草花、樹木を冬の寒さから守る!」より