時事問題の「定番」が崩れてしまった――激痩せしたクイズ王、コロナ禍を語る
クイズ王が思う“一番難しい問題”
コロナ禍は古川個人にも大きな影響をもたらした。スケジュールに空きができたことで運動を始め、10カ月間で112キロから64キロのダイエットに成功した。 「デブが動くと、すぐ痩せるんですよ。小一時間やっただけで、1キロとか落ちたんです。調子に乗ってもう1日やったら、もう1キロ落ちて。で、その次の日に焼き肉食べに行ったら、2キロ増えたんですよ。『すぐ戻ったやん』と思って。それで腹立ったから、『食べ物もちゃんとするわ』って言って、運動も食べ物もちゃんとしだしました」 「当然なんですけど、知識の吸収はクイズ王はすごく得意なんです。だから何をするにも、理屈から入る。僕は、がむしゃらにやるのってすごくもったいないと思っていて、どうしたら一番効率よく痩せて、一番リバウンドしないかっていうのをめちゃくちゃ考えたんです。結果、運動学とか栄養学とかを1日2時間くらい勉強しました。いまだに続けています」 「いろんなダイエット情報こそありますけど、僕という世界に一人しかいないデブが、僕用に痩せる方法は一つしかない。シンキングタイムをすぎて「ブー」と鳴っても、誰かが正解を教えてくれるわけじゃない。答えがすぐに返ってくるという文化で育った僕は、答えが出るかわからないものに向かっていくのが、すごく苦手だったんです。答えがないものを、自分で決めていかなきゃいけないというのが一番難しい。今回のダイエットがまさにそういう問題でした。クイズにはできないような難題も、クイズのように解いていくっていうのが、一番難しくて一番面白いですね」
--- 古川洋平 1983年生まれ。宮城県仙台市出身。クイズプレイヤー/クイズ作家。 「パネルクイズアタック25」「タイムショック21」の高校生大会で優勝。学生日本一決定戦「abc」3連覇、社会人日本一決定戦「ABC」2度優勝。 2014年にクイズ作家デビュー。同年、クイズ法人カプリティオ設立。2019年にYouTubeチャンネル「カプリティオチャンネル」を開設。クイズプレイヤー、クイズ制作、監修、イベント主催等クイズ全般に携わる。 てれびのスキマ/戸部田 誠 ライター。著書に『タモリ学』『1989年のテレビっ子』『笑福亭鶴瓶論』『全部やれ。』などがある。最新刊は『売れるには理由がある』。