【年金】先月から2.7%増額&定額減税ありだが「年金だけで生活できる高齢者は半分以下」年金生活者への追加の給付案も
実際に支給された「国民年金・厚生年金」平均はいくら?
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末時点での国民年金と厚生年金の平均月額は以下のとおりでした。 ●国民年金の平均月額 ・全体:5万6316円 ・男性:5万8798円 ・女性:5万4426円 ●厚生年金の平均月額 ・全体:14万3973円 ・男性:16万3875円 ・女性:10万4878円 冒頭のモデル年金の水準には達していない世帯もいることがうかがえます。 続いて年金だけで生活している世帯の割合も確認しましょう。 ●年金だけで生活している世帯の割合 厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は全体の44%であることがわかりました。 ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:44.0% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:16.5% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.5% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:8.5% ・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:3.6% 半数以上の高齢者は、年金だけでは生活できていない現状にあります。老後も働き続ける人や、貯蓄を切り崩している人が多いとうかがえます。 子世帯からの仕送りを受けている世帯もいるでしょう。物価高においてはさらに厳しい現状にあると考えられます。 次章にて、年金における定額減税の概要や仕組みについて確認していきましょう。
年金受給者への定額減税とは
6月から開始された定額減税において、年金から天引きされている所得税や住民税が減額されています。 具体的には、年間で所得税が3万円、住民税が1万円の合計4万円が減税されるので、年金手取りがその分アップすることになります。 ただし、6月14日の年金支給日に一気に4万円の年金手取り額が増えたわけではありません。 所得税と住民税で定額減税が始まる時期が異なっており、所得税は「2024年6月から」、住民税は「2024年10月から」定額減税が順次開始となります。 6月年金から天引きされるの所得税が3万円以上の場合は、減税額3万円を差し引いた差額が所得税として年金から天引きされますが、ほとんどの方は3万円も支払っていないでしょう。 6月に天引きされる所得税が3万円未満の場合は、限度額である3万円に到達するまで、翌月以降も減額がされます。 続いて住民税ですが、こちらは減税額1万円を差し引いた差額が住民税として年金から天引きされます。 もし10月に限度額である1万円全てを減税しきれない場合は、同様に次回以降の年金からも順次減額されます。 年金振込通知書には、定額減税がされた後の税額が記載されているため、必ず確認するようにしましょう。 減税しきれないと見込まれる世帯には自治体から「調整給付金」が支給されるため、そちらも確認が必要です。