【プレミアプレーオフ】東京Vユース、日章学園を下し11年ぶりのプレミア復帰に王手
12月6日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2024プレミアリーグプレーオフ(参入戦)の1回戦が開催され、サンフレッチェビレッジ広島第一球技場での第1試合では東京ヴェルディユースと日章学園が対戦した。 【フォトギャラリー】東京ヴェルディユース vs 日章学園 攻守ともに圧倒的な強さでU-18高円宮杯プリンスリーグ関東1部を制した東京Vに、サウサンプトンに入団が内定しているFW高岡伶颯(3年)を要するプリンスリーグ九州1部2位の日章学園がどのような戦いを見せるのか。1回戦屈指の好カードは序盤から一気にスコアが動く。 先に流れを掴んだのは、東京V。開始早々の3分。左サイドからパスを中央で受けた井上寛都(3年)が前を向くと、右足がネットを揺らす。勢いに乗った東京Vは12分にも左ウイングのFW半場朔人(3年)がカットインし、斜め45度の位置から左足で鮮やかなミドルシュートを決めた。 早い段階で2点のリードを奪った東京Vは以降も持ち前の個人技とパスワークで相手を翻弄。45分間のほとんどを相手陣内で過ごし、強度の高い守備も機能して相手を圧倒した。 しかし、ハーフタイムを境に潮目が変わる。中盤でシンプルにボールを捌き、右サイドハーフのMF南創太(3年/仙台入団内定)、前半途中からピッチに入った右サイドハーフのMF有働嵩常(3年)が積極的にボールを運んでいく。最前線の高岡もボールを受け、狡猾な動きで相手を出し抜いた。背後に抜け出すシーンも増えていくと、67分にMF小峠魅藍(3年)のロングスローをニアでCB吉川昂我(3年)が頭で背後にすらす。ファーサイドに走り込んできた高岡が押し込み、1点差に迫った。 流れを引き寄せた日章学園に対し、東京Vは相手のサイド攻撃を封じるべく76分に策を講じる。DF川口和也(3年)とDF小林健(3年)をSBに投入し、それぞれ左と右に配置。後半に入って分が悪かったサイドをテコ入れし、巻き返しを図った。 薮田光教監督が打った手は見事に的中する。 「相手に点を取られてから勢いが増していた。本当は前の選手をもう少し入れるプランだったんですけど、一度後ろを安定させて、(川口)和也と小林が難しい状況でよくやってくれた」(薮田監督) 今季の東京Vを支えてきた守備陣は息を吹き返し、堅実な守りで相手に自由を与えない。ゴール前の競り合いもタフに戦い、ゴールを許さなかった。 最終盤に相手のパワープレーに屈して押し込まれる時間帯が続いたものの、最後まで集中力を切らさなかった東京Vが2-1で勝利。8日に行われる富山U-18とのプレーオフ2回戦(昇格決定戦)に駒を進め、11年ぶりのプレミアリーグ復帰に王手をかけた (文・写真=松尾祐希)