アメリカンウェアの魅力は日常着にあり! セブンバイセブンの川上淳也が思いを馳せるサンフランシスコの原風景──特集:2024年秋冬、新しいアメリカン・ファッション
現代的でありながら、どこか古き良きアメリカンムードが漂う繊細なコレクションを展開するセブンバイセブン(SEVEN BY SEVEN)。そのベースには、10代後半より数年過ごしたサンフランシスコでの刺激的な日常が大きく影響していた。 【写真の記事を読む】川上さんのお気に入りアメリカン・ファッションアイテムをチェック!
着る人にごとに馴染むかっこよさ
映画『グーニーズ』など、80年代のアメリカ映画に魅せられたことに加え、兄姉がリーバイス501を愛用していたことから、新潟県に住んでいた川上淳也は、アメリカへの憧れを漠然と抱いていたという。そして高校卒業後に渡米を決意した。この行動力が、後に川上がメイド・イン・USAの虜になるきっかけとなった。 「英語も喋れなければ知り合いもいない状況で、とりあえず当時知人がすすめていたサンフランシスコへ行きました。ある日たまたま訪れたドネーション施設で、膨大な数の古着が一着、1ドル25セントで売られていたんです。古着やガラクタの山の中からパタゴニアのアイテムを発掘したり、それがすごく刺激的で」 その後、リサイクルショップやスリフトを見つけては、古着を漁る日々を送っていたという。 「もともと古着が好きだったこともあり、すごく楽しかったです。当時日本ではヴィンテージブームでしたが、自分にはそういう知識はなかったので、年代や市場価値に関係なく、とりあえず自分が気に入ったものだけをピックアップしてコレクションにしていました」 どんな古着に対しても先入観をもたず、あくまでアメリカの日常着としてフラットに向き合うことができたと続ける。 「当時サンフランシスコにいたカッコいい人たちが、古着やアメリカ製の服をリアルに着ているのを見ていましたが、それがすごくかっこよくて。とにかく着る人ごとに馴染んでいたと言いますか、すごく魅力的に見えたんです」 どんどん古着にハマって、その後、日本人のバイヤーと仲良くなるなど古着やファッションの知識に磨きがかかった。帰国後、紆余曲折を経てデザイナーに。川上が手掛けるコレクションからは、アメリカ古着、ひいてはMade in USAへの愛情の深さが伝わる。 「メイド・イン・USAのアイテムってまず、量産性重視で作った面白さを感じるんですよね。例えば、同じシャツでもポケットのデザインやステッチの形が微妙にちがったり。言葉を選ばずに言わせてもらうなら、何も考えずに作った服の面白さがあると言いますか(笑)。あと素材感もタフ。デニムなど、タフな素材の服を着込むことで、出てくる表情が個体によってちがうじゃないですか。日常に根ざし、着ていく過程で少しずつ着る人の個性が表れる。これがアメリカ製の服の魅力なのかなと思います」
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