うちの凸凹―外科医と発達障害の3人姉弟―「とりあえず1時間目は遅刻しよう」。しっかり休むための試行錯誤
【次男】 小学校低学年で疲れやすく、登校に関する緊張が強いです。 不登校から少し通えるようになりましたが、登校を決めた日は朝5時に起き、登校時間までソワソワというか、明らかに早いのに何度止めても「行くね」と言い出し登校しようとします。 行くと決めた日は絶対に行かないと気が済まないようで、緊張が強そうな日に親から「せめて遅刻してゆっくり行こう」と提案しても、受け入れられません(というか「登校しなきゃ」で緊張しすぎで親の言葉が脳内に届かない?)。 まだ母付き添いでの登校なので、親と担任の促しで早退はできます。その時は登校の時の強迫的な状態ではなく、強い抵抗はないので状態に合わせて早退させています。 1回学校に行くと言葉が届きやすくなるようです。
「ちょっと気になる」段階で、休ませたほうがいい
同じ親の子、似た診断名で、個人差がこれ位出ます。 休ませようと思っても、本人たちに受け入れられる有効な介入もこれほど変わってきます。 3人に共通しているのは、 ・本人が自分の状態を把握し、休むと言い出せるようになるのは、一番上手な長女でも小学校高学年になってからで、成長を待たないと上手くできない。一方で、疲れることでのトラブルは幼児期や低学年で起きやすい。 ・親がはっきり違和感を覚える段階、明らかに疲労が出ている状態まで待っていては遅すぎる→その前の「問題ではないが、親には気になるちょっとした変化があるかも」くらいで休ませた方がいい。なので、親子でその予兆段階の変化を学んでいく。 ・担任がフォローするのは、少なくとも普通級だと難しい→そこまで観察する余裕がない。人数が多すぎて、細かく把握しようがない。 ・その子本人が納得し、心から休める休み方じゃないと意味がない→休んでからの復帰も負荷になるし、それを子ども自身も分かっているので、現在も未来も大丈夫と思える状況を整えないと休めない。
「免除」「休息」も本人が納得してこそ!
できない、緊張することが多い変わった子の生活の中で、『免除』や『休息』は支援の一つだと思いますが、本人に受け入れられる形式のものでないと効果はありません。 そして、どんな形式だと上手くいくかは本人の性質や、年齢、体力に左右されるので、診断名から一律には決められません。 一方で、負荷を軽くすることは、本人にとっても、そして問題行動が少なく伸び伸びしている時の本人と接することができるという意味で周囲にとっても、とても重要なことです。 本人だから、親だから、教師だから、最初から適切な方法が分かることではなく、その都度試行錯誤し、本人を観察し、感想を聞いていくことでしか、方法は洗練させられません。
外科医ちっち(げかいちっち) 外科医師。妻(看護師はっは)と発達障害3児の育児中。記事中のイラストは、看護師はっはが担当。 ・ブログ:「うちの凸凹―外科医の父と看護師の母と発達障害の3姉弟」 ・ブログ:「発達障害の生活は試行錯誤で楽しくなる」 ・Note: https://note.com/titti2020/ ・Twitter: @surgeontitti