リスク大きく儲からない”障害者の歯科治療”日本で最初に開業した男性(77)「おまえはダメだ」と言われた子供時代がバネに「人の役に立つ仕事がしたい」
■福祉の分野へ新たな挑戦 「園長先生、おはようございます。はい、おはようございます」 19年前、緒方さんは障害がある子供を預かって専門の教育を行う児童発達支援センターの「joy(じょい)ひこばえ」を立ち上げました。 現在、3歳から5歳の子供たちが保育士や言語聴覚士、音楽療法士に見守られながら、話すことや食べることなど、基本的な生活を送るための教育を受けています。 ■目的は「きれいにすることじゃない」 園長の緒方さんも歯科の知識を生かし、子供だけでなく、スタッフにも食べ方や歯磨きの仕方を指導します。 おがた小児歯科医院 緒方克也さん「口ばっかり見ないで手がどんな握り方かも見たほうがいい。この年頃の歯磨きは、きれいにすることが目的じゃなくて、習慣付けをすることが目的だから。うまい下手よりも、ちゃんと受け入れてやっているということが大事」 ■アートや音楽にも さらに、社会参加の場も作り出しました。 RKB 金子壮太記者「こちらの施設では障害者の方が仕事としてアート活動に取り組んでいます」 障害者がアート活動を通して社会と関わるための事業所「JOY(じょい)倶楽部」です。 絵画や芸術を専門にする「アトリエブラヴォ」と、音楽の演奏をする「ミュージックアンサンブル」に現在、44人の障害者が在籍。国内外でのアート活動や演奏を通して、収入を得てきました。 おがた小児歯科医院 緒方克也さん「彼らがだんだん成長して大人になってここにたどり着いたんだなと、あの頃はわからなかったけど、来てみればここだったんだと、こういう形はこの人達には必要だったんだろうなと受け入れています」 ■訪れた人が涙した演奏会 演奏会では、お客さんも含め会場全体が一体となり、音楽を楽しみます。 訪れた人「すごく楽しい曲でたくさんあって、皆さんの演奏で感心しました」 訪れた人「懐かしい曲とか聞かせてもらってよかったです。すごく上手で感動しました。涙が出てきました」 演奏した田中恵さん「たくさんの拍手、嬉しかったなと思う。落ち着いて踏ん張りました」 演奏した松尾はづきさん「楽しかったです。また、練習頑張ります」