2年で250店舗と驚愕の出店数~安い、うまい!「鰻の成瀬」
職人技術不要!「鰻の成瀬」急成長の舞台裏
猛烈な勢いで店舗数を伸ばしている飲食チェーン「鰻の成瀬」。稚魚が不足してうなぎの価格が高騰する中、「安くてうまい」を実現している。 【動画】安くてうまい!「鰻の成瀬」の秘密 一般的に関東では、背中から裂いて骨や内臓を取り除き、串を打って一度焼いて白焼きに。関東風の場合、余分な脂を抜いてフワフワの食感にするため、一度蒸してからタレに浸けて焼く。「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」と言われるほど、うなぎの調理は奥が深い。価格も老舗店なら平均で5000円ほど(1尾250g)になる。
一方、「鰻の成瀬」で使っているうなぎは中国などの外国産。信頼できる輸入業者から蒲焼きにした段階のものを仕入れている。 おいしさの秘密は特別な調理機器にある。これで一定時間蒸すことでフワフワ食感になるという。その後、注文が入ったら、もう一度同じ機器の中に入れて今度は「焼き」。「蒸し」と「焼き」それぞれに最適な時間が設定されていて、機械がすべてやってくれるから、専門の職人は必要ない。店舗のスタッフは「誰でもできる作業。アルバイトの人でもうなぎの仕込みはできる」と言う。
普通は30分以上かかるうな重が、注文を受けて10分以内で仕上がる。値段は一番安いうな重並の「梅」がうなぎ半身で1600円、3/4尾の「竹」が2200円、一尾入った「松」でも2600円と老舗店の約半額だ。 「鰻の成瀬」はコロナ禍の2022年に1号店をオープン。そこから急速に出店攻勢を掛け、今や海外含めて258店(2024年9月7日時点)と快進撃を続けている。 「鰻の成瀬」を展開するフランチャイズビジネスインキュベーション社長・山本昌弘はフランチャイズビジネスのコンサルタント事業を続けていく中、FCが儲かるビジネスモデルを自ら実践するために「鰻の成瀬」を始め、加盟店の急拡大で注目の人となった。 だが、飲食のFCビジネスは流行り廃りが激しい。焼き牛丼チェーンの「東京チカラめし」は今や大幅に減少。500店舗近くあった「いきなり!ステーキ」も三分の一近くに減った。 「ゆっくりやると競合が出てきてもっていかれる可能性があると思ったんです。競合が1店舗出している場所に8店舗出すと、相手がやる気をそがれるだろうなと」(山本) 飲食業界が未経験だった山本は、どうやってわずかな期間で日本一のうなぎチェーンを、作ることができたのか?