「久保の顔面が集団暴行を受けたかのように…」50発の滅多打ち、試合後には嘔吐も…RIZIN“凄惨マッチ”の是非「レフェリーが止めないから殴り続けた」
グシャリ。グシャリ。グシャリ。 パウンドやヒジが打ち下ろされるたびに、ハンマーで人が叩かれているような錯覚に陥った。MMAのファイトを見てこんな戦慄が走ったのは、いつ以来だろうか。 【衝撃写真】「久保の顔面が集団暴行を受けたかのように…」50発の滅多打ち、試合後には嘔吐も…RIZIN“凄惨マッチ”実際の写真を見る(全60枚/流血等の写真を含みますのでご注意ください) RIZIN設立10周年の節目を飾る2024年大晦日の『RIZIN DECADE』。背筋が凍るような攻撃を仕掛けていたのは、久保優太との一戦が組まれたラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス共和国)だった。
50発の滅多打ち「集団暴行を受けたかのように…」
グラウンドで下になった久保に当て続けた打撃の数は、1ラウンドだけで少なくとも50発。久保の顔面がまるで集団暴行を受けたかのように鮮血に染まり、内出血だらけになるのに時間はかからなかった。シェイドゥラエフの攻撃は相手のスタミナを削るとか、リングジェネラルシップ(主導権)をとるといったレベルではなかった。一発一発から、対戦相手に致命的なダメージを与えかねない破壊力を感じさせた。 筆者の脳内で、眼前の試合とPRIDE時代の戦慄のシーンが重なり合った。そう、2004年6月20日、セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア)がセーム・シュルト(オランダ)をマウントに捉え、右の鉄槌で滅多打ちにしたあの試合だ。そのときのハリトーノフは右足でシュルトの左腕を制したうえで鉄槌を放っていた。ほとんど身動きができない状態のシュルトに無慈悲な鉄槌を何度も打ち下ろしていたのだ。血まみれになったシュルトの顔がモニターに映されると、あまりの凄惨さに観客席からは悲鳴も上がった。 シェイドゥラエフの猛攻にも近いものを感じた。ややもすると、相手に重篤なダメージを与えかねないオフェンスにも映った。あの日のハリトーノフの再来――容赦のない攻撃の理由について、シェイドゥラエフは表情を変えることなくこう語った。 「いつレフェリーが試合を止めるのかと思ったけど、止めないから殴り続けたんだ」
「早く病院に行ってほしい」試合後の会見の様子
シェイドゥラエフが“ヤバい奴”であることは、MMA12戦全勝(全試合でKOまたは一本勝ち)というレコードや、武田光司とフアン・アーチュレッタという強豪に1ラウンドで勝利を収めていることからも明らかだった。 対する久保はGLORYとK-1の元王者。MMA転向当初こそルールにアジャストできず、デビュー戦となったシバターとのエキシビションマッチでは八百長疑惑をかけられるなど散々な目にあった。その後、キックボクシングの元王者という肩書きを捨て去るかのようにMMAの練習に没頭すると、2戦目からその成果が現れ、捲土重来の5連勝をマークした。 中でも直近の斎藤裕戦は出色の出来だった。元RIZINフェザー級王者が相手だけに「圧倒的に不利」という予想が多かったものの、そんな下馬評を嘲笑うかのように久保はスタンドで斎藤を追い詰め、最後はボディへのストレートキック(久保流の三日月蹴り)でKOした。 12連勝中のシェイドゥラエフと、5連勝中の久保。勝った方がRIZINフェザー級王座に手をかける、事実上の挑戦者決定戦といった位置づけの重要な一戦だった。 37歳とは思えない童顔や、元妻でタレントのサラとの漫才のような会話から“ほんわか系”のイメージが強い久保だが、実際に歩いてきた道はまったく違う。キックボクサー時代から苦労を重ねており、カンボジアで試合をしたり、フリーランスになった当初は練習する場所にすら困った時期もあった。 MMAの世界で結果を残せたのはその挑戦が一過性のものではなく、真剣に時間と労力をかけて取り組んできたものだからだろう。シェイドゥラエフに勝てば、2025年にはタイトル挑戦――そんな久保の青写真を、キルギス人ファイターはハンマーのような攻撃で木っ端微塵に打ち砕いた。 試合後、インタビュースペースに現れた両者の姿はまさに対照的だった。勝者の顔には傷ひとつなかったが、敗者のそれは「質問を受けていないで、早く病院に行ってほしい」と思わせるほどボロボロで、無惨に腫れ上がっていた。
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