伍代夏子さん「自分の限界を自分で決めないで」 無理をすることの意味は 〈インタビュー後編〉 坂本真子の『音楽魂』
10月末にシングル「渋谷百年総踊り」を出した歌手の伍代夏子さんは、被災地支援や国際交流、動物保護などに熱心なことでも知られています。インタビュー後編では、ボランティア活動を行う理由や年齢を重ねて思うこと、人生訓などについて語ります。 【画像】もっと写真を見る(8枚)
伍代さんは2023年7月、「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」(https://www.riku-natsu.jp/ )をスタートさせました。名称の由来は、愛犬の名前「りく」と、自身の名前から。地震など突然の災害時に、人とペットが安心して同じ室内に避難できる社会の実現をめざし、アンバサダーとして活動しています。 「東日本大震災などの被災地支援に行くたびに、同室避難ができない状況を見てきました。避難所に入れないからとペットを連れて帰って車中泊をしたり自宅に戻ったりして、そのために健康を害し、亡くなった方もいらっしゃいました。命を救うための避難所なのに、動物じゃないよ、人だけだよ、というくくりのために、人が命を落とすなんて……。もう少しおおらかな気持ちで、ペットも家族と考えてもらって、ペットを家族として生きている人たちを受け入れる環境があってほしいと、被災地に行くたびに強く思います」 日本各地の動物保護団体を訪ねて、保護犬の支援や啓発活動も行っています。 「先日、茨城県で野犬が増えているというニュースがありました。それも元は無責任に犬を捨てた人たちがいるわけです。飼うときはきちんと登録する、マイクロチップを入れる、狂犬病の予防注射をする、といった基本的なことは各自治体で確認してほしいですし、殺処分をなくしたいと思っています」
「必要とされる限りは支援を続けたい」
伍代さんは1999年に俳優の杉良太郎さんと結婚しました。杉さんは阪神・淡路大震災などの被災地支援、受刑者の更生支援、ベトナムの教育施設などへの援助(200人以上の里子を支援)といった、さまざまなボランティア活動に長年取り組んでいます。 伍代さんも夫と共に、新潟県中越地震や東日本大震災の被災地で炊き出しや救援物資の輸送、慰問などを行ってきました。今年は、地震と豪雨の被害を受けた能登半島への支援に力を注いでいます。 「発災の直後は、倒壊している家屋やがれきを私たちが撤去できるわけではないので、黙って一緒に寄り添うことしかできないときもあります。それでも、私たちの歌を喜んでいただけるときが来たら、公演の一部をチャリティーにして収益を寄付する、みんなで歌いに行くときに金一封をお届けするなどして、必要とされる限りは少しずつでも支援を継続していくことを大切にしています」