24年日本株勝者は金融やバリュー株、日銀利上げと物言う株主が存在感
バリュー株
TOPIXのスタイル別指数を見ると、バリュー指数は年初から18%上昇し、グロース指数の10%高を上回る。金利の上昇局面では、株価収益率(PER)やPBRなど投資指標が割安なバリュー株が成長性を評価するグロース株よりも選好されるほか、東証やアクティビストの動きもバリュー株に投資家の目が向いた要因だ。
日興アセットマネジメントの高山純一インベストメント・ディレクターは「市場全体の回復はバリュー株がけん引している」と指摘し、「企業は今、株主価値の向上により重点を置いている」と語った。
全ての企業が株主価値の向上を目指して改革を進めているわけではないが、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールによるセブン&アイ・ホールディングスへの買収提案のような注目度の高い合併・買収(M&A)の動きはより多くの海外アクティビストの市場参入を促し、バリュー株は今後も上昇を続けるだろうと高山氏はみている。
防衛
今年の日経平均銘柄の上昇率上位10社のうち、IHI(3倍)、三菱重工業(2.7倍)、日本製鋼所(2.5倍)、川崎重工業(2.1倍)と4社が防衛関連銘柄だ。
T&Dアセットマネジメントの酒井祐輔氏シニア・トレーダーは、日本を取り巻く地政学リスクへの懸念が中国と台湾の緊張関係や朝鮮半島の政治的不安定によって高まり、投資家がこのセクターに注目したと分析。「防衛問題は日本が避けて通れなず、関連株が買われるのは必然」だと言う。
政府による防衛費増強のための政府の増税方針やトランプ次期米大統領の米国第一主義の安全保障方針を背景に、25年は防衛関連分野の株価がさらに上昇する可能性が高いと酒井氏は予想している。
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Alice French