プレーで語るリーダー コーチ、選手が認めるソフトバンク今宮健太が見せた数字以上の「存在感」
「甲子園ボーイなのでふてぶてしい感じでくるのかなと思ったら正反対の好青年で。逆に口数が少ないおとなしい子なのかなと思ってましたけど、二遊間やっているうちに彼独自の感性というか、その辺も感じながら守ってましたね」。かつて二遊間でコンビを組んでいた本多雄一内野守備走塁コーチ(39)は、今季もその堅守でソフトバンクの4年ぶりリーグVに貢献した今宮健太(33)の若手時代をこう振り返る。【#OTTOホークス優勝特集】 ■松葉杖でグラウンドへ…近藤が小久保監督と熱い抱擁【写真】 今宮が初めてプロで遊撃の守備に就いたのは2012年3月31日のオリックス戦。プロ2年目のことだった。「どっしりはしてなかったですね。安心感は松田(宣浩)さんとかの方があって、周りにおんぶにだっこみたいな感じはありましたけどね」と本多コーチは当時の今宮について笑いながら話す。 今季はチームの野手では最年長の柳田悠岐(35)が5月31日の広島戦で右太もも裏を負傷して離脱。昨季136試合に出場した34歳の中村晃も代打での途中出場が多い中、今宮は主力選手として常にチームの先頭に立ってきた。「チームとしての今宮健太の存在感というのは大きい。それはコーチになってすごく思う」。本多コーチは二遊間を組む若手選手やマウンドにいる投手に声をかけている姿を頼もしく見守る。 「何もしてないですよ。(ベンチで)座っているだけです」。当の本人は謙虚に語るが、多くのチームメートがその大きな背中に助けられている。 「リーダー。あまり言葉で言う人ではないけど、プレーで見せてくれるチームの要だなと思う」と話すのは捕手の海野隆司(27)だ。2年前に打撃練習で一緒になり、アドバイスを求めたところから交友関係が深まった。食事に出かけた際も今宮は自分からはあまり話さない「物静か」な人。ただ、今季はスタメンマスクをかぶる試合も増えたことで海野は、あらためて今宮の存在感を感じている。「キャッチャーだけ(試合中に)見ている方向が違うので、(今宮は)いろんなことを経験してきたんだなと、こっち(捕手の位置)から見ていてすごく感じる。今宮さんはすごい大きいというか、安心できるというか、どしっと構えている」 今宮は8月4日には遊撃としてリーグ最多となる1532試合に出場。百戦錬磨のベテランとしてチームを4年ぶりの頂点に導いた。本人にとって打率、打点などの打撃成績は満足がいく数字じゃないのかもしれない。ただ、数字には表せないその貢献度は、間違いなく大きい。(大橋昂平) 【おすすめ記事 優勝特集】 女性関係の不祥事で大批判…山川穂高を支えた妻の一言、小久保監督の長男&長女が父に贈る言葉、秋山幸二さんが語る小久保采配など西スポWEB OTTO!が総力取材したとっておき優勝記事がたっぷりです。 ▼下記の関連記事から▼
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