英14年ぶり政権交代へ、労働党が歴史的勝利の公算-総選挙4日に投票
(ブルームバーグ): 英国では4日、下院(定数650)選の投開票が行われる。多くの世論調査によれば、スターマー党首率いる最大野党・労働党が歴史的勝利を収め、2010年以来14年ぶりの政権交代が実現する可能性が高い。
メディア王ルパート・マードック氏の影響下で与党保守党を支持してきた英大衆紙サンでさえ、今回はスナク首相が率いる保守党ではなく、労働党支持を表明した。
4日の投票は英国時間午前7時(日本時間午後3時)に始まり、午後10時(同5日午前6時)に締め切られる。
スターマー氏は投票前の最後のメッセージで、「英国はきょう新たな章を開始できる」と力説し、「14年間の混乱と衰退を経た後の希望と機会の新たな時代」を約束した。これは勝利を過信せず、投票所に足を運ぶよう促すメッセージだと同氏の陣営は説明し、「投票して初めて変化は起きる」と訴えた。
労働党の圧勝以外の結果は、逆に大きな衝撃となりかねない。ブルームバーグの最終集計(11の世論調査会社のデータを用いた14日平均)では、労働党が保守党を20ポイントリードしている。
調査会社ユーガブの最新予測(2日更新)によると、労働党は431議席を獲得し、定数650の残りの議席(219)を212議席上回る。フォーカルデータは議席差を238、モア・イン・コモンは210と見込む。いずれかのシナリオが実現すれば、1997年にトニー・ブレア元党首の下で政権を奪還した地滑り的勝利を上回り、保守党にとって圧倒的な敗北となる。
ユーガブによれば、労働党は2019年の総選挙(203)から議席を大きく上積みする公算が大きい。保守党は102議席と、19年の選挙で得た365議席を著しく減らし、自由民主党は11議席から72議席に躍進が予想される。
英労働党圧勝か、政権交代に期待と不安-失望誘えばポピュリスト台頭
ある世論調査に基づけば、保守党が今回わずか53議席にとどまる可能性すら想定される。別の世論調査の結果は、自民党が保守党を抜いて野党第1党になる見通しを示す。ナイジェル・ファラージ氏の「リフォームUK」党首としての立候補も保守党にとって痛手だ。