4連覇を狙うポガチャルが最有力候補、とびきり歴史的だった2024年の締めくくりは最後のモニュメント【Cycle*2024 イル・ロンバルディア:プレビュー】
幸か不幸か、平均15.8%超・最大25%超というムーロ(壁)には、今回は足を踏み入れない。そして、すべての選手にとって幸いなことに、2020年大会とは逆走で上り下りを行う。すなわち当時20歳のレムコ・エヴェネプールがひどく落車し、骨盤骨折と肺挫傷を喫したダウンヒルは、今回は登場しない。それでもコルマ・ディ・ソルマノが、ひどく難しい坂道であることは間違いない。登坂距離12.9km、平均勾配6.4%、最大13%で、ラスト1kmだけなら9.1%にも至る。てっぺんまで駆け上がったら、栄光のフィニッシュまで残すは42kmだ。 今回の最終盤には、2年前にポガチャルが大きなふるい分けを企てたチヴィリオ(4km、10%)は組み込まれない。ソルマノを越えた後は、コモ側フィニッシュではおなじみの最終坂サンフェルモ・デッラ・バッターリア(2.7km、7.2%)だけが、フィニッシュ手前5.3kmで、勝負の行方を見守る。
いずれにせよ、コースの進行方向が変わろうが、途中の上りが微妙に入れ替わろうが、ポガチャルが優勝大本命に推されるであろうことには変わりはない。初出場の2021年にいきなり優勝をさらい取り、現在3戦3勝と、イル・ロンバルディア勝率100%を誇るのだから。 つい2週間ほど前に、ポガチャルは、37年ぶりにジロ&ツール&世界選の同一年制覇「トリプルクラウン」を達成しばかり。しかも世界一になってからわずか6日後のジロ・デッレミーリャでは、またしても軽々と独走勝利を収ている。世界チャンピオンが「レインボージャージの呪い」に悩まされることなく、マイヨ・アルカンシェル初戦をあっさり制したのは、2005年世界王者のトム・ボーネン以来。ただボーネンは2005年最終戦(世界選)→2006年初戦と年をまたいでの成功だったから、虹色ほやほやで立て続けに勝ったのは、1995年アブラハム・オラーノ以来29年ぶりだった。
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