4連覇を狙うポガチャルが最有力候補、とびきり歴史的だった2024年の締めくくりは最後のモニュメント【Cycle*2024 イル・ロンバルディア:プレビュー】
当然ながら、今回ポガチャルが4連覇を成し遂げたとしたら、またしても新しい記録が自転車界に記されることになる。なにしろ1946~1949年に「カンピオニッシモ」ファウスト・コッピが4年連続で同大会を勝ち取って以来の、75年ぶりの快挙だ!!イル・ロンバルディアの勝利数自体は史上2位タイとなり(コッピは5勝)、モニュメント7勝は、現在6勝で並ぶマチュー・ファンデルプールを差し置いて現役最多となる。 今季のグランツールからワンデーレースまで喰らい尽くしてきたポガチャルに立ち向かうのは、パリ五輪で男子史上初の個人タイムトライアル&ロードレースのダブル金メダル、さらには史上初の同一年五輪個人TT&世界選個人TT制覇をも成し遂げてしまったエヴェネプールに違いない。唯一の懸念は、五輪を完全にスキップしたおかげで未だ元気満々なポガチャルに対抗できるだけの調子を、果たして保っているかどうか。
例年通りシーズン終盤に来て調子を上げているエンリク・マスは、2年前に一騎打ちスプリントでポガチャルに敗れた悔しさを晴らしたいはずだし、1週間前のジロ・デッレミーリャでポガチャルに次ぐ2位に飛び込んだトム・ピドコックも、初のモニュメントタイトルを追い求めている。また今シーズン大躍進のマッテオ・ヨルゲンソンは、この春はフランドル系を中心に回ったが(そしドワルズ・ドール・フラーンデレンを制したが)、秋の最難関モニュメントでも必ずや実力を発揮できるはず。
夏以降、ワンデーの調子を徐々に上げつつあったニールソン・パウレスは、2日前のグラン・ピエモンテ優勝で完全なるピークに突入したし、大会当日に38歳の誕生日を迎えるマイケル・ウッズは、ジロ・デッレミーリャ4位とまだまだ元気。 一方で39歳のダリオ・カタルドは18年の、41歳のドメニコ・ポッツォヴィーヴォは20年もの長く輝かしいプロ生活を、母国のモニュメント、イル・ロンバルディアで終える予定だ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
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