日本人は…?「世界の女性起業家支援プログラム」でみた「3つのすごさ」
凄さその3 女性起業家の「ビジネス規模の大きさ」
前述のように、日本女性の起業分野は、飲食店や美容品物販など小規模ビジネスが多いのが現状だ。しかし、ここでの女性起業家たちの事業のスケール大きさを目の当たりにし、その貪欲さと実行力に心底驚いた。 例えばフランス出身のニーナ・グラヌッチさんは、食品廃棄を削減するための栄養価に優れた代替食品を開発し、大手食品メーカーに販売している。その規模は、すでに150トンの食品廃棄物を削減し、450トンのCO2排出を防いでいるとのこと。 また、インド出身のアクシタ・サチデヴァさんは、視覚障がい者へのオーディオブック・デバイスを開発・提供している。その実績は、100万冊以上の書籍が、25カ国で600以上の機関、10万人以上のユーザーに利用されている。
中国、韓国からの起業家はいるのに……
さて、ここまで読んでいただいた読者の皆さんの心に、「日本人はどんな起業家がいたの?」と興味がわいた方もいるのではないだろうか。残念ながら…… 「日本人受賞者は、ゼロ人だった」というのがお答えだ。 中国からも、韓国からも受賞者はいるのに、なぜ日本からはいないのか? このような豊富な育成・エンパワーメントプログラムがあるのに、日本人女性はなぜチャンスを獲得できないのか? 後編「日本に女性起業家が少ない理由は…「投資家」と「理系」が示す意味」ではそんな日本の課題と分析をしていきたい。
羽生 祥子(著作家・メディアプロデューサー)