日本人は…?「世界の女性起業家支援プログラム」でみた「3つのすごさ」
すごさその2 女性起業家の「ビジネス分野の広さ」
さて私が目の当たりにした「世界の女性起業家の凄さ」のふたつめは、彼女たちが手がけるビジネス分野の広範さだ。 前提として、日本の女性起業家のビジネス分野について、皆さんはどんなイメージをお持ちだろうか? 「身の回りに女性起業家が少ないのでイメージがわかない」という方もいるかもしれないので、東京商工リサーチの「女性社長調査」を少し見てみよう。 日本では現在、社長の男女比率(東京商工リサーチが保有する約400万社の経営者情報から計算、2023年版)は、女性は約15%で60万人超。男女比率については全世界と比較してそこまで変わらないが、違うのはビジネスの分野だ。 同調査によると、女性社長が経営する会社のうち、49%が「サービス業」。具体的には喫茶店、飲食店、美容などだ。これは少ない資本からでも起業がしやすいという共通点がある。 では世界はどうか? このCWIで受賞したビジネスの分野の中からいくつかご紹介しよう。
AI利用の資金アクセスアプリ、手術室不要の局所麻酔による世界初手術ロボットなど
【AI評価によるマイクロビジネス向け貸付アプリ/コロンビア出身、メルセデス・ビダールさん】 低所得者層のマイクロビジネスにクレジット(貸付)へのアクセスを提供し、小規模から中規模の起業への成長を後押しすることを目的に、テクノロジーに基づくソリューションを生み出す「QUIPU(クイップ)」を創業。従来とは異なるAIを用いたスコアリングで信用力を評価することが競合他社との差別化となっている。コロンビアの全行政区画で事業展開し、1万7千人のコミュニティ、7千人の顧客、9千件のローン利用の実績を誇る。 【人道的な医療活動の経験から世界初中耳炎手術ロボット開発・販売/シンガポール出身、リン・リムさん】 カンボジアの農村で、麻酔・顕微鏡・手術室がないために中耳炎の手術が受けられない何百人も子どもたちを見てきた医師のリンさん。手で持って操作できる世界初の中耳炎手術ロボットを開発し、販売している。シンガポールでの臨床試験をパスし、米国、豪州、EUなどでの販売展開を計画。