ネットの誹謗中傷をなくしたい メタバースから飛び出して国際交流【イマドキの大学ゼミ】
SNSで観光地に若年層を誘致
同じ4年生の柴崎さんは、中学生のときにパソコンを自作し、未知の世界が広がるインターネットに夢中になりました。情報技術が社会でどう使われているか、倫理的、法律的な課題もあわせて学んでみたいと思い、国際情報学部に入りました。ネットに加えてアニメなどのサブカルチャーにも詳しい岡嶋教授と関心領域が重なり、教授のゼミに入りました。 ゼミでは学外の企業や団体と連携するプロジェクトをいくつか進めています。岡嶋教授が枠組みを決め、学生がアイデアを出して動かしていきます。ゼミ生はどのプロジェクトにも参加することができます。 現在、進められているのが、神奈川県の箱根の観光活性化プロジェクトです。昨年、県の観光協会からデジタル技術を使った課題解決の依頼があり、ゼミの学生が4チームに分かれて企画を考えました。プレゼンテーションしたところ、柴崎さんのチームの案が採用されました。 「箱根観光の公式SNSの内容を刷新したり、あまり知られていないスポットをインフルエンサーに紹介してもらったりして、若年層の誘致を目指しています。企画を進めて結果を出し、卒業論文か卒業制作にできればと思っています」(柴崎さん) 箱根のほかにも、東京都練馬区の小学校でのプログラミング授業、メタバース関連のアニメ制作など、さまざまなプロジェクトがあります。 「学外に飛び出して関係者を巻き込んでいくのが岡嶋ゼミの特徴です。1人では到底できない大きなプロジェクトを学生のうちに経験できます。仲間と力を合わせて、先生やメンバーと意見交換をしながら成果を出していくのが楽しい」(柴崎さん) 気谷さんもいくつかのプロジェクトに参加し、授業で学んだことをアウトプットできる場になっていると感じています。 「勉強したセオリーが適用できるとか、俯瞰して見ることが大事とか、学びを生かす機会が多くあります。それによって社会学、法律学、コンピューターなどの学問分野は地続きにつながっていて、そこで得た知識はあらゆる物事を見るのに役立つことに気づきました。いろいろな角度から検討することで新しい発想が生まれるんです」(気谷さん)