パスキーの認知と利用が増加--生体認証の安全性が鍵か
オンラインアカウントでパスキーを使うことが増えていないだろうか。そういう人は、決してあなただけではない。パスワード依存度の抑制を目指す業界団体FIDO Allianceの新しい調査によると、パスキーの認知と採用は登場した2年前から増加している。 FIDO Allianceは、4年目となる年次調査報告書「Online Authentication Barometer」でSapio Researchにオンライン調査を実施するよう依頼した。それを受けてSapio Researchは8月、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、シンガポール、韓国、インド、中国の消費者1万人を対象に、パスキー、パスワード、オンラインセキュリティに関する意見を収集した。 調査に協力した人の過半数(57%)が、パスキーを知っていると回答した。これは2022年に知っていると答えた39%から増加している。また、パスキーを知らないという回答はわずか16%で、2022年の28%から減少した。パスキーを知っていると答えた人のうち62%が、ウェブサイトとアプリでアカウントのセキュリティのためにパスキーを利用していると答えた。 一方、パスワードは利用が減少している。過去2カ月間にパスワードを手入力した人の割合は、平均すると28%で、2022年の38%から減少した。金融サービス、仕事用アカウント、ソーシャルメディアのアカウント、メディアサービス、ストリーミングサービス、スマートホーム機器など、さまざまなウェブサイトとアプリで、パスワードを手入力しなければならないケースが減っている。 人々がパスワードの利用をやめてパスキーを使い始めている主な理由の1つに安全性がある。パスキーには通常、なんらかの生体認証が使われており、生体認証はパスワードよりも安全でハッキングされにくいと考えられている。 最も安全だと思う認証方法はどれかという質問には、調査に協力した人の29%が生体認証だと回答した。自分だけが覚えている複雑なパスワードを挙げたのはわずか15%で、モバイル機器に送信されるワンタイムパスワード(OTP)を挙げたのは14%だった。 FIDO Allianceの最高経営責任者(CEO)を務めるAndrew Shikiar氏は、プレスリリースの中で次のように語った。「うれしいことに、世界のウェブサイトとサービスのトップ100のうち、すでに20%がパスキーに対応している。業界は、教育分野への取り組みと、導入をできるだけシンプルなものにする取り組みを加速させるとともに、消費者がパスキーを利用できるよう、さらに多くのブランドに協力を呼びかけていく。パスキーの導入と利用は、今後1年間でさらにペースを上げて伸びていく見込みだ。われわれはパスキーへの移行について、ブランドと消費者双方を支援していきたい」 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。