「子宮頸がんはワクチンで“予防できる”がんです!」娘たちのためにOurAge世代ができること【専門医からの提言】
子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンで予防できるがんだ。HPVワクチンの無料接種が受けられる年代は、9月末までに1回目の接種をする必要がある。自身もHPVワクチンを接種した産婦人科医の柴田綾子さんに、ワクチンで子宮頸がんを予防する方法を伺った。ぜひ、皆さんの娘世代に伝えてあげてほしい。
年間約1万人の女性が子宮頸がんにかかっている!
日本女性は子宮頸がんにかかる人も、亡くなる人も減っていない。1年間に約1万人の女性がかかり、約2900人の女性が亡くなっているのだ。 35歳以降から更年期世代が最も罹患率が高い年代で、OurAge世代が気をつけなければならない女性のがんのひとつ。それだけでなく、妊娠・出産世代の20代、30代の子宮頸がんは1990年と2015年を比べると約1.5倍に増えていて、今も増え続けている*。 *国立がん研究センター「がん情報サービス がん種別統計情報 子宮頸部」2015年、2019年、2020年
【子宮頸がんは40代、50代が発症のピーク。20代、30代も1.5倍に増加!】 40代、50代のOur Age世代の罹患率が高い子宮頸がんだが、HPVに感染してからがんになるまで数年~数十年かかる。性交渉でウイルスに感染する可能性があるのは10代からだ グラフ出典/国立がん研究センター「がん情報サービス がん種別統計情報 子宮頸部」2019年
HPVワクチンキャッチアップ無料接種がもうすぐ終了! 9月末までに1回目を!
特に今、情報を伝えたいのが、10代、20代の娘を持つ女性だ。子宮頸がんは、がんの中では珍しくワクチンで予防できるがんだ。全国の自治体では、HPVワクチンの定期接種(無料接種)の対象となる人(小学校6年生から高校1年生の女性)には、予診票などを個別に送付している。 この年齢を越えてしまった人でも今、1997年4月2日~2008年4月1日生まれの女性(2024年に16歳~27歳)に対して、HPVワクチンの接種を無料で受けられるようになる措置(キャッチアップ接種)が厚労省から発表になり、国のキャッチアップ接種が行われている。 HPVワクチンが無料接種できるのは2025年3月までだ。この時期を過ぎると有料になってしまう。有料になると、選びたいワクチンの種類によっては、3回で10万円くらいかかる。 この年代で、過去にHPVワクチンの接種を一度も受けていない、あるいは、1回または2回接種したことがある人は、2、3回目がまだであれば追加接種を無料で受けられる。1回も接種していない人は、1回目を9月末までに受けないと、2025年3月までに3回目までを受け終わらない。 「無料接種できる期間を過ぎないうちに、該当年齢の方は早めに接種を考えてください。無料接種できるHPVワクチンは、3種類(サーバリックス(2価)、ガーダシル(4価)、シルガード9(9価)*)あります」 と柴田先生は言う。 *「2価」は子宮頸がんの主な原因となるHPV16型、18型のふたつが予防できるワクチン。 「4価」はHPV16型、18型と、良性の尖圭コンジローマの原因6型、11型の4つが予防できるワクチン。 「9価」はHPV16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型の7種類と、6、11型の尖圭コンジローマの9つが予防できるワクチン。