「子宮頸がんはワクチンで“予防できる”がんです!」娘たちのためにOurAge世代ができること【専門医からの提言】
45歳まではHPVワクチンを接種するメリットがある
1997年4月1日以前に生まれた女性は、無料接種の時期を過ぎてしまっているが、HPVワクチンを接種するメリットはあり、子宮頸がんを予防するためにHPVワクチンは有効。無料接種の対象外の年齢の人は、自己負担になるが、もちろん接種は可能だ。 「45歳までは接種の効果が報告されていますので、新しいパートナーができる人は、ぜひ前向きに考えてみていいでしょう。私もHPVワクチンを接種しています。仮に45歳を過ぎてもHPVワクチン接種は可能です。 また現在、男性にも4価(ガーダシル)のHPVワクチンが薬事承認されています。男性も肛門がん、咽頭がんの予防になります。費用は自己負担ですが、東京都など自治体によっては費用の一部を助成しています。ぜひ接種を検討してみてください」 費用は、男女ともに自己負担の場合、クリニックによって多少のばらつきはあるが、HPV2価ワクチン、4価ワクチンは1回15,000~17,000円×3回。9価ワクチンは1回33,000~36,000円×3回が必要だ。接種場所や接種方法は、各自治体に問い合わせるといいだろう。 【NPO法人女性医療ネットワークのHPVワクチンと検診の相談医療機関リスト】 <https://cnet.gr.jp/hospitallist/> 柴田先生が理事を務めるNPO法人女性医療ネットワークで、HPVワクチンの相談や実際に接種のできる全国の医療機関リストを作った。OurAge世代の子どもたちの未来のために、いま私たちができること。ぜひ、将来の子どもたちの健康のために、HPVワクチンを子どもたちと考えてみてほしい。
【教えてくれたのは】 柴田綾子さん 淀川キリスト教病院 産婦人科医。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児)。名古屋大学情報文化学部を卒業後、群馬大学医学部に編入。沖縄で初期研修を開始し、2013年より現職。世界遺産15カ国ほどを旅した経験から、母子保健に関心を持ち、産婦人科医に。著書に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社)、『産婦人科研修ポケットガイド』(金芳堂)、『女性診療エッセンス100』(日本医事新報社)ほか。NPO法人女性医療ネットワーク理事。 写真/Shutterstock 取材・原文/増田美加