岸洋佑、主題歌を担当した『追想ジャーニー リエナクト』への思い「ど真ん中でぶつかりました」
■今は音楽に集中 17歳の時に40歳で亡くなった父の影響「後悔しないように生きる」
――未来で後悔するかもしれないけど新しく始めたいことはありますか? 【岸】実は僕、ああしたいこうしたいがたくさんありすぎて。それが本来1番やりたいことを遠ざけてるかもしれないっていう気持ちになっていて。来年4月12日に豊洲PITという場所でワンマンライブがあるんです。ソールドアウトを目標にして、たくさんの人に来てもらって楽しんでもらうことだけを考えて生きていきたいなって。今はそう思っています。豊洲PITという無謀なものを乗り越えた先の景色、自分の心を見てみたくなってしまって。たぶん、なんとなく生きようと思えば、生きられるなと思ったんですよ。この世界じゃなくても、サラリーマン経験もあるし。でも、なんとなく生きることが僕には死と同義というか。苦しくないと嫌だなって時に、音楽で1回苦しくなりたいと思って。だから2000人の顔と名前を覚えるチャレンジをやっていて。マジで新宿とか渋谷で、1人でチラシ配ってるんですよ、「岸って言います」って。さっきも駐車場が混んでいて、そわそわしてたら「先いいですよ」と言ってくれた男性がいたので、名刺を渡しました。「岸洋佑と言います。今度、もしよかったらライブに来てください」と。それぐらい、いつでもアンテナを張っています。その気持ちで生きていることが今もとても心地いいです。だから未来のことは考えていないです。 ――がっつり音楽に集中しているんですね。 【岸】音楽がこんなに大きな目標になることはなかなかないです。ただ僕、やっぱり「売れたい」と思ったんです。たくさんの人に聴いてもらいたい。悔しくて。31歳になって、20代で売れた人たちと話した時に「目標がない」と言われた時にムカつくと思ったんです。俺は、その景色すら見れてないのに、同じ釜の飯を食べているのも悔しくなっちゃって。俺は絶対に同じ景色見て、さらにみんなと違う全員の名前を覚えるという人としてもっと充実感があるようなことをしたいと思って目標を立ててやっているんです。 ――めちゃくちゃポジティブですね。 【岸】「どうせ死ぬんだから」と「人生は暇つぶしだ」という2つの言葉が根底にある。それってめちゃくちゃネガティブな言葉なんです。でも、それをポジティブに捉えると「どうせ死ぬんだから何やったっていいよね」と「人生は暇つぶしなんだったら楽しい方がいいよね」という考えに逆転させる。どネガティブが故のポジティブっていう。たぶん、それが僕の芯ですかね。 ――それは誰かに影響されて? 【岸】親父が17歳の時に交通事故で急に死んじゃった。そこですね。人ってすぐ死ぬんだ、と思った。さっきまで元気だったのに…やりたいこともいっぱいあっただろうに40歳で亡くなったので。こういうこともあるんだなって思った時から、いい意味で死が怖くなくなった。「いつでも死は訪れるよね。じゃあその時まで後悔しないように生きてなきゃいけないよね」という気持ちになっちゃったんですよね。 ――お父さんが亡くなった年齢に近づいています。 【岸】トラウマで僕、あと9年しか生きられないって勝手に思ってます。たぶん40歳以上は生きられないんだろうなと思ってるから、ちょっと生き急いでる感もあるのかもしれないし、後悔しないようにしてやろう、と。40歳超えちゃったら、もう僕のエクストラステージです! ――話は変わりますがスティンガー/サソリオレンジ役で出演した『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017)が2年後に9周年となります。岸さんが、いろいろな方に知ってもらった作品かなと思います。 【岸】ヤバいね!2年後に9周年ですか。戻りたいけど、ちょっと早すぎるか。コロナ禍があったので感覚として2、3年ズレているんです。僕の中では、まだ5年ぐらいしか経ってないイメージです。だからもう9年かっていう感覚です。たぶん僕が動かないと彼らはやんないので、僕が動きます(笑)。 ――聞こえなくなるぐらい高周波になった「カジキイエロー」を待っています。 【岸】(笑)。やっぱり僕は感謝がめちゃくちゃあるので、9周年は絶対に何がなんでも僕が先頭に立って完成させるつもりです。生々しい話ですけど、スポンサーさんを集めないといけない。これを見てる方、よかったらスポンサーになってください!やること多くて大変だな、こりゃ(笑)。豊洲PIT終わったら『キュウレンジャー』9周年かもしれない(笑)。 ――最後に改めて『追想ジャーニー リエナクト』の見どころと楽曲の聞きどころを、お伺いできればと思います。 【岸】シンプルに『追想ジャーニー リエナクト』を見て、僕の、私の人生は今後どうしていったらいいんだろうかな、後悔なんてないのかなということを、今一度考えてもらえたらすごくいいなと思います。こういうお芝居を1つ作るのも、役者さんたちだけじゃなくて、スタッフの皆さんも本気でやってるんだよな、という部分も自分の目で見てほしいです。映画館で撮影するとか、普通じゃないじゃない。その大変さや、「すごいなモノ作りって」と、どこかで感じてもらえたらとてもうれしいです。楽曲に関しては、僕もこの曲をたくさんの人に届けられるように頑張るから、いつか生で聞いてもらいたいし、生で聞いた時に、あの映画のこと思い出すなと思ってほしいです。ぜひ末永くかわいがっていただけたらなって思ってます。