『卵価格高騰』北海道で過去一早い「鳥インフル」発生 対策の最前線と取り巻く環境変化 厳戒の養鶏場
■「ことしなぜ早いのか」専門家でも原因特定は難しい
今後の感染拡大は?そして高騰の続く“卵の価格”にも影響があるのか? 国内でも珍しい実験施設などを有する、鳥インフル研究の最前線で、先週発生した北海道のケースについて話を聞きました。 【京都産業大学 生命科学部 高桑弘樹教授】「基本的にはやっぱり寒い方から発生することが多くて。だから、北海道の方で今回発生したけども、(ことしは)あったかいので逆にもっと遅くなるかなというイメージだったんですけど。早く来た理由はちょっと分からない。単純に渡り鳥がウイルスを持ってやってくるので、寒くなったら下がってくると、暖かかったら下がってこないという」 専門家でも、ことしなぜ早いのか、特定するのは難しいようです。
■2年前に4万4000羽のニワトリを殺処分した養鶏場の対策
関西でも警戒感が高まっています。 おととし、鳥インフルエンザが発生し、4万4000羽のニワトリを殺処分した養鶏場が取材に応じました。 【竜野養鶏センター 中山晋吾代表取締役】「売り上げがゼロだから、5000万ぐらいは損害に」 発生から2年、ようやく安定した生産体制が整い始めたこの養鶏場。 つい先週、保健所の調査があったといいます。 【竜野養鶏センター 中山晋吾代表取締役】「きのう姫路の家畜保険衛生士が来て、チェックシートで。去年は入っていなかった項目が、ことしは新たに増えたりしているんです」 しかし、どれだけ警戒しても安心できないこの場所特有の事情もあるようで…。 【記者リポート】「野鳥が集まりやすい川や池の近くでは、鳥インフルエンザのリスクが高くなるということですが、こちらの鶏舎のすぐ近くには川があります」
鳥インフルエンザのウイルスの多くは、海外からの渡り鳥を介して運ばれます。そして川などに生息する野鳥に感染し、ネズミや小鳥などを介して、養鶏場の中へ持ち込まれるのです。 2度と発生させないため、警戒感をもって業務に当たっています。 養鶏場には、いつ誰が訪れたか分かるよう入場者の名前などを必ず記入。 小さな鳥などが入らないよう、金網は二重にして、網目も小さくしました。