６回表無死一塁、正木の遊ゴロを好捕し二塁へ送球するＤｅＮＡ・森敬

【荒木雅博の目】◇26日　SMBC日本シリーズ2024第1戦　DeNA3―5ソフトバンク（横浜） 　本紙評論家の荒木雅博さんが「8番・二塁」でスタメン出場したDeNAの森敬斗内野手の成長ぶりを高評価した。 　守りでは6回無死一塁の場面から正木が放った痛烈な打球を逆シングルでキャッチ。バランスを崩しながらも二塁へ好送球して一塁走者をアウトにしたが、このプレーを「素晴らしいプレーだった。これくらいの感じで投げれば大丈夫とかそういう感覚の部分をこんな大舞台で覚えていける。良い経験をしていると思います。実りの秋ですね」と分析した。 　打つ方では4点を追う9回2死二塁でソフトバンクの守護神・オスナの149キロを左前に運んで適時打に。フルカウントからの一打だったが、その1球前のカウント2―2からのフォークを見逃した。荒木さんは「これを振らなかったのが大きい。2回1死一塁の場面ではフルカウントから絶対に三振してはいけない場面で有原の変化球に食らい付いて一ゴロになった。打席でも成長している」と語った。

９回裏２死二塁、左前適時打を放つＤｅＮＡ・森敬。左は投手オスナ

　森は2020年に神奈川・桐蔭学園高からドラフト1位で入団。プロ5年目にして、ようやく素質が本格的に開花しつつある。「騒がれて入団してもっと早く出てきてほしいと思っていたファンの方も多いと思うけど、コツコツ諦めないでやってきたことが実を結びつつある。本人も球団も我慢して積み上げてきた成果だと思う。自分もそうだったけど、高卒の内野手が1軍に出られるようになるには時間がかかることが多い。森君にとってこれから長く活躍するための土台をつくるための時間になったと思う」と話した。24日にはドラフト会議が開かれ、今年も高校生内野手が多く指名されたが、荒木さんは「みんな良いところがあってプロに入ってくる。長い目で見てあげてほしいですね」と話した。