欧州ツアー史上最長9ホールのプレーオフを制したフランス人選手が涙。実は世界最長プレーオフは日本で記録されていた!
ジョン・ラームも参戦したDPワールドツアーのアンダルシアマスターズでフランス人のジュリアン・ゲリアが39歳にしてツアー初優勝を飾った。地元スペインのホルヘ・カンピリョを史上最長記録に並ぶ9ホールのプレーオフを戦い最後は1.8メートルを沈めて有終の美。出場230試合目の戴冠に涙が止まらなかった。ところでゴルフ史上最長プレーオフ記録が日本で誕生していたことをご存知だろうか?
前日まで優勝争いをしていたラームがプレーオフ進出を逃し6位に終わり、同郷のカンピリョの応援に回るなかゲリアとカンピリョの対決は延々9ホール続いた。 最後はカンピリョがパーセーブできずゲリアが1.8メートルのパーパットを沈めて死闘にピリオドを打った。 「優勝できたなんて信じられない。長い間この瞬間を待ち続けてきた。カンピリョみたいな素晴らしい選手に勝ててうれしい」とゲリア。そのあと家族の話になると声を詰まらせた。 「ラウンド中も家族のことを考えていた。ここまでずっと支えてくれた家族、チームのお陰。本当にありがたい」と涙、涙……。 9ホールのプレーオフはDPワールドツアー最長タイだがゴルフ史上もっとも決着までホール数がかかった記録を調べてみると1976年開催の日本ツアー、ペプシ・ウィルソン・トーナメントだったことがわかった。 メジャー5勝のピーター・トムソンとグラハム・マーシュ、ブライアン・ジョーンズ、宮本省三の4人がプレーオフに残り14ホールに渡る死闘が繰り広げられた。 勝ったのはトムソンだが14ホール目で勝利を決めると地面にヒザをつくほど疲労困憊。「長いゴルフ人生でこれだけの緊張が続いたのははじめてだった」と感慨深げに語った。 PGAツアーでは1948年モーターシティ・オープンで記録された11ホールが最長。2000年以降では12年のマヤコバゴルフクラシックでジョン・ハーがロバート・アレンビーを8ホール目で下している。 ちなみにDPワールドツアーで今回と同じ9ホールのプレーオフがおこなわれたのは1989年のオランダオープン。その試合ではホセ・マリア・オラサバルが最後にダブルボギーで優勝するというなんとも締まらない結末だった。
川野美佳