「何言ってんの?1億じゃダメ」…夫が会社を辞めることに反対した妻の真意【FIRE実践者の助言】
経済的な自立を実現し仕事を早期にリタイアする「FIRE」に注目が集まっています。ですが、FIREは必ず家族に影響を及ぼします。パートナーがいる場合、不可欠なのは共通の将来像を共有していることです。本稿では、寺澤氏による著書『ぶっちゃけFIRE 手取り25万円で子育てしながら1億円ためる方法教えます』(主婦と生活社)より一部を抜粋し、自身の経験も踏まえた「夫婦で話し合うことの大切さ」についてご紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
FIREの実現には、パートナーの協力が不可欠
家庭を持っている方とお話すると、「FIREしたいけど、妻(夫)が許してくれないんですよね」というような声をよく聞きます。しかしこれだけで「FIRE実現の障壁はパートナーの反対だ」と決めつけるのは早計です。 問題はパートナーの反対ではなく、「夫婦でFIREや貯蓄にまつわる目標やビジョンの共有ができていない」ということなのです。家庭を持ちつつFIREをしたい人が押さえるべきポイントは、次のふたつです。 ・夫婦の合意のもと計画する ・夫婦でお金を管理する 家庭を持つ人の場合、家族全員がFIREの影響を受けることになるわけですから、どちらかが許すというのではなく、全員でお金を管理し、全員で力をあわせて目指すものなのです。 夫婦の合意のもとで計画する 資産1億円を達成したとしても、FIREを実現するには綿密な計画と相当の決心が必要です。独身であれば、自分の決断次第で何とでもなりますが、パートナーがいる場合、家庭の資産が1億円に到達したからといって、自分だけが勝手にFIREするわけにはいきません。 妻が夫の計画内容をまったく理解しておらず、夫と同じレベルでの決心がない状態で、いきなり「1億円貯まったから会社辞めるわ」と言われたら、それは「え? ちょっと待って。何考えてるの?」と反対したくもなるでしょう。 きっと、パートナーに黙ってこういう計画を進めてしまう側も、「相手が反対するだろう」というのは感じているのでしょう。 ですが、反対されるだろうからといってパートナーに何の相談もせずに計画を進めても、逆にその計画は実現できない可能性が高くなってしまいます。ですから、きちんと「いつまでにいくら貯めよう、一緒にFIREを目指そう」ということを家族会議で提言してみてください。 「人生、楽しめるものなら、若いうちから家族一緒に楽しんだほうがよっぽどいい」「定年まで会社で働き、老後にようやく自分の人生を楽しむという固定観念に縛られなくてもいい」この案にはきっとパートナーも同意してくれるはずです。