ハミルトンのフェラーリF1移籍劇に“かつてのボス”バスールの存在アリ「彼なしでは実現しなかった」
■フェラーリの魅力とは?
F1の象徴とも言えるフェラーリの魅力について、ハミルトンは次のように語った。 「ドライバーは全員、歴史や全盛期のミハエル・シューマッハーの姿を見て育ってきた。ガレージに座り、スクリーンに映し出される赤いマシンに乗ったドライバーを見て『もし自分がフェラーリの色に染まったらどうなるだろう?』とみんな考えると思う」 「イタリアGPに行けば、真っ赤に埋め尽くされたフェラーリファンの海を目にする。畏敬の念を抱くしかないよ」 「そしてミハエルの時代から2007年以降、フェラーリは大成功を収めていないチームなんだ。大きな挑戦だと思った。僕が子どもの頃、(TVゲームで)ミハエルになりきって走っていたのは嘘じゃない。あのマシンに乗ってね。夢なのは間違いないし、本当に本当にワクワクしている」 またハミルトンは、イタリア・マラネロにあるフェラーリのファクトリーには行ったことがないことも明かした。 「行ったことないんだ」とハミルトンは言う。 「初めてフェラーリ(の市販車)を買ったのは2010年だったと思う。もう持ってないけどね」 「ただその頃には行けなかった。メルセデスに所属していたのもあって、当時は行くのに相応しいと思えなかったんだ」 フェラーリドライバーは自ずとイタリア語でのファン対応を求められることになるが、ハミルトンはイタリア語を学ぶ予定があるかと訊かれ、次のように答えた。 「この数年間、他の言語を学ぶことはできなかった。でも、もちろん挑戦するよ」 「イタリアでカートに乗っていた時のことを覚えている。何個かのフレーズは扱えていたから、それがすぐに思い出せるといいね」 そしてハミルトンは、2024年シーズンの最終戦まではメルセデスでしっかりと戦い切ることを強調した。 「新しい章に移ることにはなるけど、今の章はまだ終わっていない」とハミルトンは言う。 「僕はまだ100%、今年このチームで結果を出すことに集中しているし、最高の形で終わろうと努力している」 「それは僕にとってもチームにとっても大きな目標だし、チームのみんなを絶対的に信頼している。これまで成し遂げてきたことは素晴らしいことだと思う。だからどうにかして、レッドブルとの差を縮めたいと思っている」 バスール代表も、ハミルトンとの関係について多くの質問を受けたが、2024年のシーズンに集中すると強調した。 「確かに話し合いを始めた時は、それ(お互いの関係)が大きなトピックになったし、彼にもいい言葉をかけてもらった。でも正直なところ、私にとっても、おそらく彼にとっても最も重要なのは、自分のシーズンに集中することだ」 そうバスール代表は語った。 「我々の前には、大きな挑戦が待ち受けている。やるべきことがたくさんあるんだ。なぜなら、レッドブルがまだ我々の前にいると思っているからね」 「2025年や2026年のことを考えるのは間違いだ。2024年にやるべきことはたくさんあるし、2025年のことを考えるべき時間はあるはずだからね」
Adam Cooper