室温「18度以下」だと体に危険が!?電気代節約”寒さガマン”はほどほどに!
あなたの部屋の室温は何度?
リビングや自室などで過ごす時間が長い場所の室温を意識していますか? 世界保健機関(WHO)が強く勧告するほど、冬の室温18度以下は健康リスクを増大させます。室温18度以下によってもたらされる、危険性についてチェックしてみましょう。 【画像】「えっ低すぎ…!」 これが《都道府県別》冬の平均リビング室温です! 冬に雪が降りやすい北海道や東北の地域は外が寒い分、部屋のなかも寒そう・気温が低そうというイメージがありませんか? 実は雪が降りやすい地域ほど室温が高く、南の地域ほど室温が低い傾向にあります。 ※全国(約)2190の戸建てを対象に行った調査結果によると、冬の平均リビング室温(在宅中)が18度を超えているのは、北海道、新潟、神奈川の3つ。南側の地域では、香川県の13.1度が最も低く、九州地方であっても16~17度しかないという結果でした。南の地域よりも、雪国である北海道の室温のほうが高いと判明しました。 ※慶應義塾大学の伊香賀俊治教授(建築環境工学)らの研究チームによる調査結果
室温18度以下がもたらす健康リスク
世界保健機関(WHO)は、寒さによる健康被害を防止するために、冬の最低室温を18度以上にすることを強く勧告しています。冬の室温が18度以下になると、血圧上昇、睡眠の質低下などの健康被害が拡大しやすく、死亡率が高まる傾向にあります。 (1)低い室温と高血圧 低い室温と高血圧の関係性は、複数の研究で一貫して関連が報告されていて、エビデンスレベルの高い報告内容です。高齢世代だけではなく、30代の若い世代でも、低い室温によって血圧の上昇を招くことが確認されています。 (2)低い室温と睡眠の質低下 平均52.6歳の集団でおこなわれた研究では、寝室で寒さを感じないグループよりも、時々感じる~常に感じるグループのPSQIスコア(睡眠障害の程度を評価するスケール)が高いという結果になりました。室温が低いほど睡眠の質が低いと判明しました。
寒さによる健康リスクを防ぐ工夫
(1)冷気を室内に取り込まない 部屋の室温が下がる理由は、ガラス越しに室内の空気が冷えたり、わずかな隙間から外気が入りこんだりしてしまうから。厚手のカーテンや断熱シート、隙間テープを使い、冷気で室温が下がらないようにする工夫が大切です。 (2)加温・加湿をする 暖房やヒーターなどで部屋を温めつつ加湿すると、室温上昇とともに体感温度の上昇も期待できます。沸騰によって水蒸気を発生させる、スチーム加湿器を取り入れるのもおすすめです。 (3)部屋ごとの室温の差を縮める 滞在時間が長いリビングや自室の室温が18度以上であっても、浴室が10度台で室温に差があると、ヒートショックを招きやすい状態になってしまいます。ヒートショックは高齢者だけではなく、20代・30代の若い世代でも起こりやすい現象です。入浴前に脱衣所や浴室内を温め、ほかの部屋との室温の差を縮めることが大切です。浴室に暖房設備がない場合は、シャワーから給湯したり浴槽をかき混ぜたりして蒸気を立てると、寒暖差を縮められます。 【まとめ】 太陽の光が降り注ぐ南向きの部屋は、晴れの日であれば冬でも気温が上がりやすい一方、北向きの部屋は太陽の光が入りにくく、室温が下がりやすい環境です。日中は暖かくても、気づかないうちに18度以下になっていることも。視界に入りやすい位置に温湿度計を設置し、こまめに室温をチェックするといいですよ。
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