Mr.マリックさん×LUNAさんが親子で『徹子の部屋』に出演。家族の仲を語る「やる気をなくした娘を変えた〈テレポーテーション〉」
2024年3月5日放送の『徹子の部屋』にMr.マリックさんとLUNAさんが親子で出演。LUNAさんが子どもの頃、多忙だったMr.マリックさんとの関係や、現在の家族仲について語ります。仕事に夢中で子どもとの会話もなかった父。《普通》とは違う家庭環境のなか、次第に学校へ行かなくなった娘──。距離のあったマリックさん親子の関係は、LUNAさんが「やりたいことを見つけた」ときから、大きく変わってきたといいます。そんな2人が親子で対談した『婦人公論』2019年4月23日号の記事を配信します(構成=福永妙子 撮影=木村直軌) 【写真】Mr.マリックさん「《Mr.マリック》のままの衣装で娘の学校へ」 * * * * * * * ◆「マリックの娘」とからかわれた小学生時代 LUNA(以下「娘」) こんなふうにパパと話すようになるなんて、昔は考えられなかったよね。私が物心ついたときにはすでに、パパは〈超魔術師・Mr.マリック〉として大忙し。夜は私が寝たあとに帰ってくるし、たまに一緒に家にいることがあっても、仕事部屋にこもってたし。会話するヒマがなかったというか。 マリック(以下「父」) マジックの研究と練習に一所懸命だったんだよ。 娘 自分の家がよそとは違うと気づいたのは中学生のとき。友だちの家に泊まりに行くと、お父さんも一緒にごはん食べながら話をしてる。「えっ、お父さんとしゃべるんだ」「ギャグとか言い合うんだ」って、すごくショックだったのを覚えてる。 父 最近では、親子でテレビに出たり、こうして雑誌で話したりする機会も増えたけど、どう? 娘 今はどうってことないけど、10年くらい前、「マリックの娘」としてマスコミに取り上げられるようになったときは本当にイヤだった。 父 ヒップホップのシンガーソングライターとして活動しながら、僕の娘だっていうことは、長いあいだ隠していたんだよね。
娘 それなのに、ある音楽イベントで主催者が話題づくりのためか公表しちゃった。そうしたら取材が殺到。テレビ出演のオファーも来るようになって……。 友だちや歌の世界の先輩に相談したら、「おまえはおまえだし、いいじゃん」「それでヒップホップを広めていければいい。そういうことができる人はなかなかいないよ」と言われて、まあいいか、と。 父 僕はLUNAがテレビに出てるのを見るのは嬉しい。ああ、頑張ってるなあと思って。でも、LUNAは子どもの頃、僕の仕事の内容を、よくわかっていなかったよね。 娘 そもそも《超魔術》って何だろうって。マジシャンというと、ナポレオンズとか、演芸場のイメージだったし。テレビに出ているパパの姿はあえて見ないようにしていたので、学校でクラスメートに言われて知る、という感じ。 給食の時間になると、何人もが「昨日マリックがこうやってた」と、私の前でスプーンを曲げようとする。給食がある限り、スプーン曲げの話が続くのかとウンザリ。給食の時間が苦痛でいつも早食いしてた。(笑) 父 僕は僕で、親子の会話がないながらも、この子の関心を引くには、自分が仕事をしている世界を見せるしかないと思ってね。LUNAが好きな芸能人と仕事で一緒だったり、同じスタジオにいるときは、LUNAを呼んだりしたけど……。中学に上がったとたん、まったく興味を示さなくなった。風貌も「どうしたの」というくらいに変わって……。 娘 ヤマンバのメイクね。 父 あげく卒業まで1年という中学2年の終わりに、学校から「強制退学」の知らせがきた。