カウンターはあてないで!凍結路で車が滑ったらどうすべきか
これから数ヵ月は冬の路面を走る季節。暖かい日が続いていても、突然大雪に見舞われることも少なくなく、また、昼間は何ともなかった場所でも、深夜から早朝にかけては、路面が凍結してしまうことも。 【旅行では気をつけて!】ご当地ワル走り5選 凍結路面は一見だと見分けにくく、突然タイヤがスリップしてしまう、ということもあります。もしも凍結路でタイヤが滑ってしまったら、どう対処したらよいのでしょうか。また、駆動方式によって違いはあるのでしょうか。
■圧雪された平坦路での制動距離はFFもFRも4WDもほぼ同じ
路面が凍結するのは、降雪地域や寒冷地だけではありません。日陰ができやすい山間部の道や、風が吹き抜けやすい橋の上、トンネルの出口などは路面が凍結しやすく、タイヤがスリップして初めて「凍結」に気づく、ということも。万が一、スリップが起こると、クルマが制御不能となってしまうという、非常に危険な状態に陥ります。 雪道というと、4WDが強い、というイメージがあると思いますが、確かに、(雪が積もっている)平坦路での走りはじめや登坂性能に優れるのは4WDですが、圧雪された平坦路での制動距離は、FF(前輪駆動)でもFR(後輪駆動)も4WDも、ほぼ差はありません。むしろ、クルマが重たくなる傾向のある4WDのほうが、流されやすい場合もあります。
■スリップしてしまったら、ドライバーにできることは少ない
凍結路面では、なにより「スピードを落とす」ことが重要。サマータイヤで走るのは論外ですが、冬用タイヤを履いていて滑ってしまったとき、ドライバーにできることは少ないです。特に、下り坂や平坦路でスピードを出していて、駆動輪が左右両方とも滑ってしまった場合は、ドライバーにできることはなく、他車を巻き込まないようにと祈るのみ。FFでもFRでも4WDでも同じです。 タイヤが地面を掴むことができていないため、焦って急ハンドルをしたり、アクセルペダルやブレーキペダルを踏んでも、クルマが反応することはなく、むしろ、グリップの復帰を遅らせる行為となります。グリップが回復するのを「じっと待つ」のが正解です(グリップが回復すると、軽くなっていたハンドルに手ごたえが戻ります)。 グリップが回復したら、ブレーキペダルを強く踏みこみます。昨今のクルマには、ブレーキを自動制御して体制を立て直すVSC(車両挙動安定装置)がついており、この機能を活用するのが、もっとも有効かつ安全。「ガガガ」という音とともに、減速しつつクルマの向きを変えられるようになりますので、回避行動をとってください。その際も、ハンドル操作はゆっくりすることが重要です。