700万円超えだと!VWゴルフ8のマルとバツ 売れ行きどうなの?
■走りは最高だが…
現在日本で販売されているゴルフ8は、48Vマイルドハイブリッド付の1.0L直3ガソリン車と1.5L直4ガソリン車、そして2.0Lディーゼルターボ車、GTI向けの2.0Lガソリンターボ車(最高出力245PS)、同エンジンをチューニングしたR(320PS)、その上のR20 Years(333PS)の6種類。 ゴルフの中でも異端児的な存在であるゴルフRはさておき、ベーシックなゴルフ8は、1.0L直3エンジンであっても、加速力不足は一切感じず、そして驚くほど静か。低速からの加速の滑らかさ、そして強めにアクセルペダルを踏み込んだ際の加速の強さも必要十分で、48Vマイルドハイブリッドシステムの恩恵を十分に享受できます。
1.5Lエンジン車になると、どっしりとした乗り味となり上質感が増したように感じられます。コーナリング性能や乗り心地も、先代ゴルフ7同様に素晴らしく、また走行性能を支えるうえで重要なシートも、座った瞬間から身体に馴染む感じがして好印象でした。 このように、ゴルフ8の走行性能は「さすがはゴルフ」という印象を受け、筆者は◎だと感じていますが、デジタル化が進んだインテリアは、筆者は×としたい点。デジタルメーターや、インパネ最上段にある10インチタッチスクリーンは全グレード標準装備で、機能追求かつシンプルに仕上げた未来的なインテリアは斬新なのですが、その使い勝手がイマイチよくないのです。
エアコン温度調節や、ボリューム調節、メニュー選択などの操作は、ほとんどが静電タッチ式で、物理スイッチのような押し込み触感がありません。VW担当者に「直感的に操作ができるようになった」という説明を受けましたが、筆者には直感的に操作ができるとは感じられず、ゴルフ8最大の進化ポイントではありますが、筆者は最大のネックと感じています。
■9月のマイチェンでエントリー価格が下がり、ユーザー拡大が期待できる
そんなゴルフ8ですが、2024年9月には、マイナーチェンジが発表され、フェイスリフトされた新デザインが採用されました。量販グレードは税込400~500万円ですが、最安グレードは1.0Lガソリン車が税込349万円、ディーゼルが396万円と、エントリー価格が下げられています。エントリー価格が下がったことで、ターゲットユーザーが拡大することが期待でき、販売台数増加が見込めます。 マイチェンモデルの出荷開始は2025年1月以降の予定とのこと。はたしてゴルフ8は、このままの勢いでMINIから外国メーカー車モデル別新車販売台数トップの座を奪還することができるか? 今後の動向が楽しみです。 Text:Kenichi Yoshikawa Photo:VolksWagen