日本の会社は「ぶら下がり社員」が7割!「給料もらうだけ人間」を生む諸悪の根源とは?
ところが、日本の新入社員は、2~3日の「なんちゃってインターン」を経験しただけのちょっと前までただの大学生だった人たちです。 そのため、入社してから研修期間を経る必要があり、その期間も1~2年と長期になります。また、入社時のミスマッチによって、現在では新入社員の約30%が3年以内に辞めると言われています。これは、明らかな無駄であり、非常に効率の悪い方法だと思います。 ● アメリカは中途採用が当たり前 必要な部署に必要な人数をあてる そして、新卒一括採用の2つ目の弊害は「社員数が多くなる」ということです。日本企業では、新卒一括採用を行っているため、当然ながら余剰社員が多くなります。どれくらい多くなるかというと、アメリカ企業の従業員数に比べて、日本企業の従業員数はだいたい20~30%程度多くなっているのです。 これは、明らかに日本企業の効率を悪くしています。アメリカ企業では、基本的に社員というものは、「必要な部署」に「必要なスキルを持った人」を「必要な人数」「必要なタイミング」で採用します。中途採用は当たり前ですし、余剰人員を抱え込まないようにしているのです。
ところが、日本はこの逆を行ってしまっているので、社員が多くなることで、同期社員も多くなり、その同期社員の中から一部だけが管理職に就くことになります。その結果、どう頑張っても管理職になれない、出世できない社員が多く存在することになり、彼らがぶら下がり社員予備軍となってしまうわけです。 つまり、社員が多すぎるので、彼らのモチベーションを上げるような人事評価システム・昇進システムを企業は用意することができず、必然的に多くの社員は「働こうが働くまいが給料が変わらない状況」に置かれてモチベーションが上がらず、エンゲージメントが低下し、結果的には企業全体の生産性まで下がってしまうというわけです。こういったことが、日本全体で起きているのです。 これは、完全に日本の企業慣習が生んでしまった弊害だと思いますし、その企業慣習にこれまで疑問を抱いてこなかった日本人全体の責任でもあると思います。 私は、東証に上場している複数の企業の顧問を務めさせていただいているのですが、そのオーナー社長さんと最低でも1カ月に1回くらいは面談をしています。最初にお会いした時に、社長さん全員に決まってこういう質問をすることにしています。 「御社には、今日付で何人の正社員がおられるのですか?」