中国、最大42兆円規模の財政刺激策を発表か-投資家の期待高まる
(ブルームバーグ): 世界2位の経済大国である中国が景気を下支えし、信頼性を高めるため、最大2兆元(約42兆円)規模の新たな財政刺激策を打ち出す可能性があると、投資家やアナリストはみている。
ブルームバーグが市場参加者23人を対象に行った調査によると、この措置は12日にも藍仏安財政相の記者会見で公表される見込みで、国債の増発で財源を賄う公算が大きい。
特に不動産・インフラ投資を通じた負債を原動力とする拡大を長年続けてきた経済を政府が今後どのように導こうとしているのかは、財政パッケージの規模以上に支援の対象によって示されることになる。
ビジネススクールINSEAD(インシアード)のプシャン・ダット教授(経済学)は「景気刺激策は複数年にわたるもので、不動産投資主導の成長ストーリーを再開するのではなく、家計を対象とするべきだ。重要なのは刺激策の規模よりも焦点だ」と述べた。
国務院新聞弁公室は9日、藍財政相が12日の会見で財政政策の強化策を紹介すると発表。世界トップの株高をもたらした景気刺激策を当局がどこまで推進するつもりかを投資家は見極めようとしている。
既に中国は9月下旬に利下げのほか、不動産・株式市場への支援強化策を矢継ぎ早に打ち出している。しかし投資家の間では、エコノミストが信頼回復に不可欠と考える財政支援策が待望されている。
中国本土株は9日に11営業日ぶりに下落し、その後は不安定な値動きが続いている。1週間の連休明けに大規模な景気刺激策が発表されなかったことで、失望が広がったためだ。
スタンダードチャータードの大中華圏・北アジア担当チーフエコノミスト、丁爽氏は「政府当局は政策を発表する前に、市場の動向を把握することが期待されている。市場の期待を高めたり、裏切ったりして市場センチメントに打撃を与えるような事態は避けるべきだ」と指摘した。
エコノミストやストラテジスト、ファンドマネジャーを含む調査回答者の大半は、新たな財政刺激策が12日に発表されなければ、半年以内に示されると予想している。