ホルモン焼きの人気チェーンがなぜ立ち食いそば屋を? 戸越銀座の「立喰いそば でん」で食べた“丸チョウそば”に衝撃を受けた
“東日本一長い商店街”で知られる品川区の戸越銀座商店街には長い間、立ち食いそば屋がなかった。街そば屋も多くはない。不思議である。そんな商店街の一等地、東急池上線戸越銀座駅すぐに11月11日、立ち食いそば屋がオープンした。その店名は「立喰いそば でん」。さっそく開店当日の午前8時半過ぎに訪問してみた。 【画像】「立喰いそば でん」のカリッとした「春菊天そば」を見る
ガラスケースにうまそうな天ぷらがずらり
戸越銀座駅の下り側改札すぐとなりのビル1階に店はあった。外に面したところにもカウンターが用意されている。店内をのぞくとお客さんがワンサカいてびっくり。少ししてから入店してみた。間口は狭いが中に入ると意外と広い。10人位は入れそうだ。カウンター上のガラスケースには、すごい種類のうまそうな天ぷらが並んでいる。 券売機をみるとその一番上左が「丸チョウそば」(880円)とある。丸チョウはホルモン屋などで見かける牛の小腸だ。天ぷらも頼みたいがまずはそれを選択した。というのも、こちらの店は都営地下鉄戸越駅から少し東に商店街を歩いて路地を左に入ったところにある「もつ焼きでん」の経営だと事前に聞いていたからだ。
「丸チョウそば」は大衆そば・立ち食いそば屋でも、もちろん老舗そば屋でも街そば屋でも出会ったことのないオリジナルのメニューである。
素晴らしい姿の「丸チョウそば」
食券を渡すと、さとりん店長が「ハーーイ、ちょっと待ってくださいねえ」と元気に対応してくれた。厨房エリアには男性店員が3名、女性店員が2名と大所帯だ。さとりん店長は「もつ焼きでん戸越銀座店」や「もつ焼きでん蒲田店」にもいたそうで流れるような接客だ。 すぐに「丸チョウそば」が登場した。まずその姿がすばらしい。国産ネギがざくっとのっている。その下には大きめにカットした丸チョウが鎮座している。そしてそばはやや黒めのむらめん謹製の田舎そば。つゆは程よい色合い。まずつゆをひとくち。程よい返しにコクのある出汁が感じられる。あご30%、かつお30%、さば20%、煮干し20%で出汁を作っているという。それに丸チョウの雑味のない脂の甘味が加わっている。 ギャンブル系立ち食いそば屋などでみる「もつ煮込みそば」とはまた違う洗練された味である。そして丸チョウを食べてみる。これはいい部位を仕入れているのだろう。脂身が厚くしかも大きい。そばもこの味にマッチしていて一体感がすばらしい。朝からすごいうまいそばを食べてしまった。