バレーボール最速昇格成し遂げた“SVリーグの異端児”。旭川初のプロスポーツチーム・ヴォレアス北海道の挑戦
SVリーグが起こす変革。「興行として楽しんでもらえるリーグに」
――オリンピックでは惜しくも男子バレーの準決勝進出はなりませんでしたが、強さと人気の両面で注目度が高まりました。今シーズンからはSVリーグが開幕しますが、国内の競技環境の現状をどのように捉えていますか? 池田:元々、Vリーグは実業団リーグで、我々のようなクラブチームも受け入れますよ、という体制でした。ですが、僕らが参入した当初は、いわゆる「ファンファースト」とか、「リーグの魅力を外向けに広めていきたい」というリーグの思いと、参加しているチームの思いが一致していない現状があったので、かなり苦労しました。 例えば、礼をする向きは客席じゃなくて、企業応援席がフォーマットになっていたんです。歴史的には企業の福利厚生で、工場で働く人たちのモチベーションのために会社のチームがあったりします。「週末に自社のチームを応援して日々の業務を頑張ろう」という流れがあったんですね。 ――集客に力を入れる必要性がなく、お客さんの方向を向いてはいなかったのですね。 池田:そうです。だから、グッズも少なく、会場までのアクセスが悪かったり、チケットの買い方がわからなかったり。一般のお客さんに対しては、「それでも来たい方はどうぞ」というスタンスだったんです。私たちは企業チームではないので、最初からお客さんとしっかり向き合ってエンターテイメントにしていくつもりで、最初はプライシング(需要に応じてチケットの価格を調整する)を工夫したりもしました。代表戦はお客さんが入っても、リーグとしては、「ちゃんとお客さんと向き合っていなかった」というのがこれまでの課題だと思います。 ――SVリーグでは、その状況は変化しそうですか? 池田:そうですね。今まで何回も「改革する」と言いながら変わらなかったのですが、SVリーグでは他のチームも含めて「興行としてお客さんに楽しんでもらえるリーグにしましょう」と方向性を定めて、大きく変わろうとしています。運営側にも、Bリーグの立ち上げメンバーが多く関わっていて、チェアマンである大河正明さんも全面的にリーグにコミットしてくれますし、リーグガバナンスを含めて変わると思います。