ソフトバンク独走V立役者は山川穂高や近藤健介、モイネロだけでなく…「復調の先発陣+期待の生え抜き野手」だったのが成績でクッキリ
福岡ソフトバンクホークスが、2位北海道日本ハムファイターズに11.0ゲームの大差をつけて、南海時代から通算で22回目のリーグ優勝を果たした。敵地京セラドームで、昨年までリーグ3連覇していたオリックス・バファローズを9-4で下して決め、優勝の美酒に酔った。 【レア写真】「ギータの17歳頃、別人みたいにガリガリ…」山川・大谷も今よりだいぶ細いのに衝撃の特大HR。大昔は投手だった王さんに捕手・近藤や村上、ヤンチャそうな学ラン姿の張本…名選手160人超の高校時代を見る
得失点、各球団対戦成績…すべてが改善
今季、監督は藤本博史から小久保裕紀へと代わったが、3位に終わった昨年と戦力的にどの部分が変わったのか、数字で見ていこう(※以下すべて9月24日終了時点)。 【チーム成績】 ・リーグ順位 2023年 143試71勝69敗3分 率.507/3位 2024年 135試85勝47敗3分 率.644/1位 8試合を残した段階で、昨年よりも14多く勝利数を積み上げ、敗戦数は22少なかった。勝率.644は、リーグ4連覇中だった2017年の.657(94勝49敗)以来の高い勝率だった。 ・得失点 2023年 536得点(1位)507失点(4位) 2024年 577得点(1位)369失点(1位) 得点は昨年もリーグ1位だったが、さらに数字を伸ばした。また失点は昨年よりも138も減らすことができた。「投高打低」と言われる中、打線を強化するとともに投手力を大幅に立て直したことが、優勝につながったといえよう。 ・対戦成績 ※2023年→2024年 オリックス 11勝13敗1分→16勝6敗1分 日本ハム 14勝11敗→11勝11敗1分 ロッテ 12勝12敗1分→15勝8敗1分 楽天 10勝14敗1分→15勝9敗 西武 13勝12敗→16勝7敗 交流戦 11勝7敗→12勝6敗 オリックス戦で大きく勝ち越したのをはじめとして、日本ハムとの対戦が五分なのを除き、すべての球団に大勝した。
投手陣:モイネロの先発転向が利いた
つづいては投打の成績を見ていこう。まずは投手から。 【投手成績】※カッコ内はリーグ内順位 2023年71勝69敗33S(5)/129H(5)1279.2回1068振451球 率3.27(4) 2024年85勝47敗39S(1)/105H(2)1218.0回1045振355球 率2.53(1) 防御率がリーグ1位に。投手陣はしっかり整備された。 〈2023年〉※PRはリーグ防御率に基づく総合指標 ・先発 石川柊太23登4勝8敗0S/0H 125.2回 責58率4.15PR-13.89 有原航平17登10勝5敗0S/0H 120.2回 責31率2.31PR11.33 大関友久17登5勝7敗0S/0H 104.2回 責34率2.92PR2.73 和田毅21登8勝6敗0S/0H 100回 責36率3.24PR-0.94 東浜巨17登6勝7敗0S/0H 99.2回 責50率4.52PR-15.12 板東湧梧30登5勝4敗0S/1H 83回 責28率3.04PR1.06 スチュワート・ジュニア14登3勝6敗0S/0H 77.1回 責29率3.38PR-1.93 ・救援 藤井皓哉34登5勝3敗0S/9H 69.2回 責18率2.33PR6.39 オスナ49登3勝2敗26S/12H 49回 責5率0.92PR12.17 津森宥紀56登4勝4敗0S/22H 48.2回 責19率3.51PR-1.92 松本裕樹53登2勝2敗0S/25H 47回 責14率2.68PR2.48 甲斐野央46登3勝1敗2S/8H 42.2回 責12率2.53PR2.96 大津亮介46登2勝0敗0S/13H 40.2回 責11率2.43PR3.28 田浦文丸45登2勝1敗0S/7H 34回 責9率2.38PR2.93 又吉克樹32登2勝2敗0S/10H 28回 責7率2.25PR2.82 モイネロ27登3勝0敗5S/13H 27.2回 責3率0.98PR6.69 千賀滉大のMLB移籍の穴はあまりにも大きく、エース不在。新加入の有原が安定感ある投球だったが、彼も含め規定投球回数に到達した投手はいなかった。結局、この年の投手陣で最もPRの数字が大きかったのはクローザーのオスナだった。救援陣は強力だったが、肝心の先発でオリックスに大きく見劣りがしていた。 その陣容と成績が2024年、どのように変化したのか。 〈2024年〉 ・先発 有原航平24登13勝7敗0S/0H 167.2回 責45率2.42PR12.11 モイネロ24登11勝5敗0S/0H 158回 責34率1.94PR19.84 大関友久20登8勝4敗0S/0H 122.1回 責34率2.50PR7.75 スチュワート・ジュニア19登8勝4敗0S/0H 115回 責26率2.03PR13.29 大津亮介18登6勝7敗0S/0H 113.1回 責38率3.02PR0.63 石川柊太15登7勝2敗0S/0H 63.1回 責18率2.56PR3.59 東浜巨10登3勝2敗0S/0H 52回 責18率3.12PR-0.29 和田毅5登2勝2敗0S/0H 24.2回 責11率4.01PR-2.58 ・救援 ヘルナンデス47登3勝3敗2S/21H 47回 責12率2.30PR4.02 杉山一樹46登4勝0敗1S/10H 46.2回 責9率1.74PR6.90 松本裕樹50登2勝2敗14S/23H 46.2回 責15率2.89PR0.93 藤井皓哉40登2勝1敗1S/19H 40回 責8率1.80PR5.64 津森宥紀45登4勝2敗0S/16H 39.1回 責10率2.29PR3.41 又吉克樹37登0勝1敗0S/4H 38.2回 責16率3.72PR-2.79 オスナ34登0勝2敗20S/5H 33.1回 責13率3.51PR-1.63 昨年、左肘関節炎で戦線離脱したモイネロが先発転向。これが見事に当たり、有原と二枚看板となる。さらに、制球が定まらずに期待を裏切ってきたスチュワート・ジュニアが本領発揮、大関もイニング数を伸ばし、安定感のある先発陣となった。千賀の穴を1年がかりでモイネロが埋めるとは、まったく意外な展開ではあった。 ただNPB最高年俸のオスナは戦線離脱、下半身の不調を理由に一時帰国した。その穴を松本裕樹が辛うじて埋めた。また昨年、モイネロの代役で獲得した左腕ヘルナンデスが予想以上の好投を見せた。 藤井、津森と中継ぎ陣も健在で、先発陣が充実した分、成績を押し上げた印象だ。
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